「知的生活」への憧れ

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はてなダイアリーを始めてから毎日何かしら書いていたのに、昨日は書かずじまいで終わってしまった。というのは、昨日の夜はいつもより少し多めにビールを飲んだからで(といっても、ピークに飲んでいた頃と比べたら、半分以下だ。ピーク時は飲みすぎである。ま、そのピーク時とはつい最近でであるが…。)、もう、眠くて、頭が働かなくなってしまったのだ。

ところで、先ほど数年(十数年?)ぶりの再読を終えた「知的生活の方法」には、ビールとワインの考察も書かれていた。「ビールは心の平安をもたらすが、頭が働かなくなる。ワインは頭の働きを活発にする」。そういうことであった。だから、カントはビールを恐れたのだという。そうか、では、私もワインを試してみることにしよう…。

「知的生活」への憧れ

そんな「知的生活の方法」は、最近のライフハック系のHowTo本とは一線を画し、知的生活の心構えのようなものが、著者が自分の昔話を話しているかのように説かれている。「やぁやぁ、よく来たね君」、「私の若い頃はね…」、「そういえば、君はあれは知っているかい」といった具合である。

1976年初版の本だけに、用いられている言葉の用法や、例え話が時代がかっている。それに、フォントが古臭い。しかし、それが何ともいえぬ味わいである。最近のHowTo本は「読んだらすぐ試してみよう」という気持ちにさせるのだが、こちらはそのレベルを超越している。だから実用書と思って本書を読んではならない。雰囲気を感じる、著者が語ろうとしていることの深淵を想像する、そうやって味わうのである。著者がどれだけ知的生活たるものを愛し、愉しんでいるのかが深く理解できる。こうした知的生活にイノセントな憧れを抱くようになる。

「SEの読書術」で浅海智晴さんが言っていた(高校生の頃に読んだ本として「知的生活の方法」が取り上げられている。http://d.hatena.ne.jp/inoccu/20070713)のも、こうしたライフスタイルへの憧れなのだろう。私もそうである。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。