zenbackによりブログのコメント欄はなくなる

インストール型ブログソフトの雄MovableTypeを擁するシックスアパートが新たにサービスを開始するzenback。「自分のブログ記事に、色々な関連情報を表示する」というサービスです。現在、クローズドベータの実施中で、当Relatusでもクローズドベータに申し込んでいたところ、無事順番が回ってきたようなので早速導入してみました。

zenbackとは?

実際に導入してみると・・・、このページの下の方を見てください。
自ブログ内の関連記事、他サイトの関連リンク、その記事のURLを含むTwitterでのツイート、はてなブックマークでのブックマーク数とコメント、最近のリンク元と、表示される関連情報はてんこ盛りです。とりあえず必要そうなものは全部あるといって良いでしょう。
RelatusはMovableType・・・ではなくてWordPressを使っているのですが、これだけのことをやろうと思ったらプラグインを5つ入れないといけないわけです。それがzenbackだけで出来るというのは楽です。
難を言えば、リンク元の表示が自サイト内からのものも表示され、それを消すオプションなどがないことです。場合によっては、自サイトのトップページばかりになる可能性があります。zenbackの開発チームにTwitterで報告しておいたので、もしかしたら機能追加してくれるかもしれません。
あとは、ここまで出来るならアクセス解析とかCRM的な分析機能があると嬉しいのですが、そういう機能はありません。これも開発チーム宛にツイートしてみましたがどうでしょうか。

便利なだけに今後が気になる

非常に便利なツールなので、正式にサービスが開始すると非常に多くのブログで導入される可能性があります。気になるのはサーバ負荷がどうなるかです。現在クローズドベータで徐々にユーザを増やしているのも負荷の具合を見ているのではないかと思います。
シックスアパートはブログの世界では偉大な会社一つですが、決して大きな会社ではないので、少々不安な面はあります。おそらくバックエンドは何らかのクラウドサービスを使っているだろうし、意外と大丈夫かもしれませんが。

zenbackの効果

勝間和代さんのブログがzenbackを導入してコメント欄を外しました。

最近、「コメント欄、なくなったのですか?」と聞かれることがありますが、ブログコメント欄への書き込みよりも、圧倒的にツイッターでのコメントの方が増えたので、切り替えました。

ブログにコメント欄があるという時代は終わるのだと思います。はてなブックマークが普及したときに終わるかなと思ったのですが、コメントが言いっぱなしで会話が成り立たないので、コメント欄は残り続けました。
Twitterではきちんと会話が成り立ちます。ブログエントリーのURLを残したままRTしていかないとzenbackなどがいくら頑張っても会話の流れを追いきれないという難点はあります。この点は今後の課題といえそうです。
勝間さんも言うように、ブログに対する感想などをコメント欄ではなくTwitterに書く人が非常に多いという現状があります。自分でブログやTwitterをやっている人は分かると思うのですが、よそのブログのコメント欄に自分の言葉を残すというのは、言葉の切り売りというか、自分の言葉を自分の手元から完全に切り離してしまうという感覚があります。これが嫌な人はTwitterで自分の手元に残しつつ、よそのブログにコメントするのです。こうした感覚を持つ人が増えれば増えるほど、コメント欄の意味がなくなります。

コメント欄を外してTwitterに代替させることは今までも出来ました。しかし簡単に出来るというわけではありませんでした。zenbackの導入は簡単です。今はまだテンプレートを直接いじる必要がありますが、正式サービス開始となれば、サードパーティを含めプラグインが公開されて誰でも出来るレベルになるでしょう。同じシックスアパートが提供するTypepadをはじめ、アメブロやココログといったレンタル型ブログサービスでも提供される可能性があります。
ブログからコメント欄は消え去る日は間近なのかもしれません。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。