WebサイトをAmazon EC2から、さくらのVPSに移行しました。
契約したのは「さくらのVPS(v3) 2G IK01」です。新しく出来た石狩リージョンですね。
さくらのVPSは以前から使っていて、CentOS5やScientificLinux6で環境構築していたのですが、今回はCentOS6.2のクリーンインストール状態からなので、少し勝手が違うところもあります。
1.ホスト名(DNS逆引きレコード)の変更
独自ドメインを持っている場合は先にホスト名の変更をしておくと、OSインストール時にその値が使われるので、後の設定が楽になります。
2,カスタムOSインストールでCentOS6.2 x86_64をインストール
標準と同じCentOS6.2 x86_64なので、カスタムOSインストールでなくても良いのですが、以前、標準のOS再インストールだと、DNS逆引きからホスト名が設定されなかったので・・・。
あと、以前はディスクのパーティションとかに結構こだわっていたのですが、いまはデフォルトでやっています。人間が丸くなりました。
3.SSHとiptablesの設定あたり
この辺は、さくらインターネットの田中社長のブログにあるCentOSをサーバーとして活用するための基本的な設定が参考になります。
カスタムOSインストールだと、ディストリビューションの標準とは違い、さくらインターネット側であらかじめ設定がされています。どうも、この田中社長の記事が参考になっているような気がします。
4.その他の基本的な設定
ユーザの追加とsudoの設定
useradd höge
passwd hoge
usermod -G wheel hoge
visudo
%wheel ALL=(ALL) ALL ←この行のコメントを外す
メッセージの日本語化
/etc/sysconfig/i18n
LANG="ja_JP.UTF-8"
SYSFONT="latarcyrheb-sun16"
5.LAMP環境の構築
これも、田中社長のウェブ開発者のための、1時間でできるLAMP環境構築術(CentOS編)で充分です。
CentOS6.2 x86_64のカスタムインストール環境では、epelが最初から設定されています。そのため、リポジトリの追加はremiとrpmforgeの2つです。
あと、私独自の工夫としてはインストールするパッケージを少し変えています。
田中社長の記事
httpd-devel php-devel php-pear mysql-server phpmyadmin
私
httpd-devel php-devel php-pear php-mbstring php-mcrypt php-mysql mysql-server mysql-devel
CentOS6.2のリポジトリから入るphpmyadminは、epel,remi,rpmforgeの3リポジトリを使ってもかなり古いバージョンが入ってしまうので、これは別にインストールします。
php-mysqlの指定を増やしているのは、phpmyadminをリポジトリからインストールしないので、依存で勝手に入ることがないからです。
あとは、PHPで日本語を使うならphp-mbstringがあった方が良いし、php-mcryptはなくてもphpmyadminは動作しますがログイン画面に警告が出てしまうので入れておきます。
mysql-develは、あとでNagios関連のインストールをする際に必要になってくるため、この時点で入れました。
phpmyadminのインストールは、MySQL用GUI設定ツール導入(phpMyAdmin)を参考に。
cd /srv
svn checkout https://phpmyadmin.svn.sourceforge.net/svnroot/phpmyadmin/tags/STABLE/phpMyAdmin phpmyadmin
これで入るphpmyadminは3.3.0でした。最新は3.5.3(執筆時点)なのでこれでも古いのですが、画面がシンプルなので私はこの方が好きなのです。
phpmyadminのconfig.inc.phpのblowfishを設定するために、mkpasswdでランダムな文字列を発生させていますが、mkpasswdがCentOS6.2の標準には入っていません。
yum install expect
これでOKです。
あと、phpmyadminをリポジトリから入れていないので、Apache側の設定も自分でやる必要があります。
/etc/httpd/conf.d/phpmyadmin.conf
Alias /phpmyadmin /srv/phpmyadmin
Order deny,allow
Deny from all
Allow from all ←ここはセキュリティリスクを勘案の上、適宜設定しましょう。
まずは、こんなところです。ざっくり2〜3時間というところでしょうか。
これで必要充分なLAMP環境が手に入るのですから、嬉しいですね。
SSHやiptablesの設定のところでそれなりのセキュリティ対策は行っていますが、そこら辺はVPSでやる以上は自己責任ですので、心しておきましょう。