Artisan Edgeは、なぜArtisan Edgeというのか?

Artisan Edgeの名刺は去年の7月くらいから持っています。その時はフリーランスになるということを決めていたわけではないのですが、iPhoneアプリの開発とかはやっていて、その際にブランド名としてArtisan Edgeを用いたので、それで名刺を作ったのです。

で、その名刺を渡すと、かなりの確率で聞かれるのは「なぜ、Artisan Edgeという名前にしたの?」ということです。その名刺には、Artisan Edgeという屋号と、私の名前連絡先くらいのことしか書いていなくて、他にツッコミどころがないからでは?という思いもあるのですが・・・。(今もその名刺が現役なので、フリーランスになったのを機に、もうちょっとビジネス向きなものに変えようかと思案中。)

でも、名は体を表すと言います。Artisan Edgeという名前を付けたときに、いろいろ考えたこともあります。その初心を忘れないためにも、きちんと書き残しておこうと思います。

実はArtisan Edgeという名前の由来については、既に書いてあります。

Artisanとは「職人」という意味のフランス語です。「職人気質の芸術家」という意味もあるようです(これは芸術家に対しては蔑称のようですが)。 私はITエンジニアです。芸術家ではなく、職人です。しかし、ITエンジニアの作るソフトウェアは、それが創作物という側面を持つ以上は芸術にも近い性質を持つのではないかと考えます。 芸術は人の心を動かします。ならば、ITエンジニアの作るソフトウェアも人の心を動かすことが出来るのではないでしょうか。 Artisanは職人と芸術家の間にある言葉ではないかと感じています。私はそのEdge(縁・ふち)を突き詰めて、人の心を動かすモノ作り、そしてコト作りをしたいと思います。

まぁ、そういうことです。 ただ、こういうことを言うと、「職人」という言葉が引っかかるのか、「お前、そう技術、技術って言うけどさぁ・・・」というツッコミが入りがちです。

私としては、職人というのはただコードを書くだけの人というイメージはないんですけどね。
それに、上記の引用を見ると、「職人と芸術家の間」なんてことも書いてあります。
もちろん、ITエンジニアですから、コードを書くことは重要です。実際に業務としてコードを書くこと、書かないことはどちらもあるのですが、少なくとも、どういうコードになるかという想像が出来なければ、ITエンジニアとしては終わりだろうと思っています。

ただ、その上で、そのコードが何の役に立つのか。誰が何を求めた結果がそのコードで、誰が何に使うから、誰にどんな風に役立つのかということは見極めます(ここがITとビジネスの接点ですね)。
「どうやってやるか」という世界(モノ作り)と「何をやるか」という世界(コト作り)が交わらなければ、人の心を動かすことは出来ません。

もう少し想像を膨らませれば、モノ作りはやはり職人の領域かもしれません。コト作りには芸術の領域が入り込みます(暴論でしょうか)。
Artisan Edgeとしては、その縁(Edge)に立ちたい。縁(ふち)だけど、軸足は職人側にあるという立ち位置で。さらに言えば、その立ち位置の中では先端(Edge)に立ちたい。

それがArtisan Edgeという名前の由来であり、この名前に込めた思いです。
この名前に恥じないよう、活動していきたいと思います。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。