フリーランスとして開業するときにやること(その1・もうやったこと)

今日は趣向を変えて、フリーランスとしての開業するときにやること、やった方が良いことについて書いてみようと思います。
やった方が良いけどまだやっていないこともあるので、それとは分けて、まずはもうやったことについて書きます。

屋号を決める

フリーランスとして開業するにあたって、最初にやることは、屋号を決めることです。
屋号があると、なんだか本気の独立開業だ!という気分になるものです。

実利的な側面もあります。開業した以上は、屋号付き名義で銀行口座が欲しくなるでしょう。最近は、屋号だけの名義で口座を開いてくれる銀行はまずありません。大抵、「屋号+本名」という名義になります。
例えば、私が口座を開いた楽天銀行の個人ビジネス口座では、下記のような段取りとなります。

  1. 楽天銀行に個人口座を開設する ←これは元々開設していました。
  2. 楽天銀行に個人口座でログインしてから、個人ビジネス口座を申し込む。その際、屋号+本名の名義を指定する。
  3. 楽天銀行から、個人ビジネス口座開設用の書類が届く。
  4. 「屋号が明記された税務署受領印のある開業届」などの資料を返送する。
  5. 楽天銀行で審査の上、屋号付き名義の口座が開設される。

ポイントは「屋号が明記された税務署受領印のある開業届」です。楽天銀行側での審査といってもたぶん大した審査ではないと思うのですが、とにかく重要なのは「屋号が明記された開業届」です。この書類をもって、その屋号でのビジネスの実体を確認するのだと思います。

となると、やるべきことの1番は、開業届を税務署に出すことではなく、その開業届に明記する屋号を決めることなのですね。

税務署に開業届を出す

納税地(大抵は個人事業主の住所。事務所を設ける場合は事務所所在地でも良い)を管轄する税務署に、「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出します。

税務署に直接出向いて提出しても良いのですが、私の場合は(管轄税務署となる日野税務署が極めて辺鄙なところにあるという事情もあって)郵送で提出しました。このとき、控えをもらっておかないと、上記のような銀行口座の開設の際などに提出できません。私は正と控えの2通の開業届と、返信用封筒、さらに控えの返信を依頼する手紙を同封して税務署に郵送しました。(数日後、受領印が押印された控えの開業届が返信されてきました。)

ちなみに、このとき、一緒に青色申告承認申請書も出しておいた方が良いというのが定石のようです。きちんと複式簿記で帳簿を付ければ、青色申告で65万円の控除など様々なメリットがあるからです。
ただ、私の場合は青色申告の申請はこのときはしていません。(青色申告の申請をしなければ白色申告になるだけの話です。後で青色申告に変えることもできます。)

銀行口座をつくる

屋号付きの銀行口座の話は既に書いたので省略。不要なら、別になくても構いません。なんかあった方が、独立開業した気分がさらに増すというだけの話。顧客も本気なのだと感じてくれるでしょうし。

名刺をつくる

別に手続きではないのですが、開業する以上は名刺は絶対必要です。屋号を決めたら、早速作ってしまいましょう。私はVistaprintというネット上で名刺のデザインから発注まで出来るサービスを使いました。Vistaprintは発注した時期や物の種類によって、世界中のあちこちからエアメールで送ってくるので楽しいです。

青色申告の承認申請を出す

開業届と一緒に出してしまうのが定石というのは上記のとおりですが、私の場合は開業届を出した昨年7月の時点ではまだ会社員であったため、個人事業主としての売上がほとんど期待できなかったという事情もあり、青色申告の承認申請は出しませんでした。

今年から晴れて本格的な個人事業主になり、売上が立つ目処も出来たので、青色申告の承認申請を出しました。白色申告から青色申告に変更する場合は、青色申告に変更したい年の3月15日までに「青色申告の承認申請書」を管轄税務署に提出する必要があります。私は、例によって郵送で提出しました。

青色申告用の会計ソフトを購入する

青色申告には上記のとおり65万円の控除などのメリットがあるのですが、そのためには複式簿記できちんとした帳簿を残す必要があります。これを出来るだけ簡単に済ませようと思ったら、必要なのは青色申告用の会計ソフトです。私は弥生の「やよいの青色申告」を購入しました。1万円くらいするのですが、それで65万円の控除が受けられると持ったらメリット充分です。それにソフト代の1万円も経費になるし。

また、会計ソフトの保守サービスにも入っておいた方が良いのではないかと思います。所得税法などの法律は結構頻繁に変わるので、常に最新版のソフトを使っておくべきで、弥生の場合は保守サービスに入っておけば、常に最新版が使えるようになっています。これがまた年間1万円くらいするので、結局1万円のソフトを毎年買っているのと同じなんですけどね・・・。(ソフトを買って最初の15ヶ月分の保守サービスは無料でした。)

あと、もう一つ嬉しいのは、弥生の保守サービスに入ると、クラブオフという福利厚生サービスが受けられることです。ホテルの宿泊料金が少し安くなったり、フィットネスジムの1日使用券が安く買えたりします。

と、ここまでが、私がもうやったことです。
次回は、まだやってないけど、やった方が良いことについて書こうと思います。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。