新しいMacBook それは哲学である

新しいMacBookを買いました。
あの、薄い、軽い、USB-Cしかない、12インチでRetinaの、あのMacBookです。

今まで2年ほど使ってきたMacBook Air 11インチ(メモリ8GB、SSD256GB)は、大変によく出来たマシンで、いくら稼いでくれたか分かりません。仕事で使うマシンとして、稼いでくれたマシンという表現は、最大級の褒め言葉です。それほど、よく出来たマシンでした。

それを手放してまで(新しいMacBookのお値段はなかなかのものなので、MacBook Airは第2の人生に進んだのです)手に入れた、MacBook。こいつはどうなのか。MacBook Airくらい稼いでくれるのか。

ここ1週間ほど使ってみて、こいつの性格を最も適切に表現しているのは、林信行さんの「新しいMacBook」を選ぶ本当の意味というITmediaの記事だろうと思います。この、とてもPCのレビュー記事とは思えない哲学的ともいえる文章が、最も適切な表現なのです。そのことで、こいつの性格は十二分に分かるでしょう。

Appleから僕たちへの挑戦状

既にベストを示した後で、私が何かを述べるのはおこがましいことですが、敢えて表現するならば、これは「Appleから僕たちへの挑戦状」です。

引き締まったボディ、うっとりするようなルックス。新しいMacBookの「形」は魅力に溢れています。
いま、安易に「形」という言葉を使いましたが、それは単なる見てくれというわけではありません。
秘められた哲学を体現したボディであり、ルックスであり、「形」なのです。
僕たちは、その「形」から哲学を感じ取らなければならない。

しかし、その哲学は別のところにも発露していて、こいつは少々堅物というか、難物というか、じゃじゃ馬でもあるのです。

じゃじゃ馬の扱い方

じゃじゃ馬を扱う方法。それは2つあると思います。

1つは、なだめたりすかしたりしながら、どうにか飼い慣らすという方法です。つまり、最大限の拡張性を持つUSB-Cハブを買う(というより現時点では待つ)ということです。それで、たしかに飼い慣らすことは出来るでしょう。でも、それではAppleからの挑戦状に答えたことにはならないかもしれない。

もう1つは、じゃじゃ馬の真の理解者となることです。じゃじゃ馬は自分が理解されないと思うから暴れるのであり、真の理解者が現れたならば、その前では従順になるものです。つまり、安易にケーブルをつなぎまくる選択肢をとるのではなく、極力ケーブルのいらない選択肢を選ぶ。BluetoothだってWiFiだってある。データのやり取りはクラウドを使えば良い。おそらく、それが新しいMacBookの真意であり、哲学であるのですから、それを信じてやるのです。

それがAppleからの挑戦状に対する正しい答だと思います。
その道を選んだ者だけが、新しい世界にジャンプすることができる。

新しいMacBookが開く未来

きっと、新しい世界は甘美な世界でしょう。
電源を除いてワイヤフリーな世界が待っている。電源だって、USB-Cが世の中に溢れている世界なら気にすることはない。
そういう世界が待っているはずなのです。だから、新しいMacBookを手に入れた者は、安易な妥協をせず、勇往邁進、新しい世界の扉を開かねばならない。そういう宿命なのです。

ただ、そんな挑戦状を突きつけたAppleに言っておきたいことがある。

次のiPhoneやiPadは、LightningじゃなくてUSB-Cなんだろうな!
次のMacBookに、USB-C以外のポートを作ったりしないだろうな!(さらに言えば、USB-Cは1つのままだろうな!)

そうであるならば、僕は、新しいMacBookが描く未来を信じたい。
信じて突き進んでいきたいと思うのです。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。