食とIoT(YouTube配信番組に出演しました)

先週の日曜日(4月9日)、お世話になっているITコーディネータの方から「いただきますごちそうさま」というYouTube配信の番組に呼んでいただきました。番組といってもGoogleハングアウトでの会話をそのまま流すというものではありますが、でもそれくらいのことで配信ができるのだから、大したものです。YouTuberの皆さんも、まぁ程度の違いはありこそすれ、同じようなことをやっているわけですね・・・。

それはさておき、テーマが「食とIoT」ということで私にお呼びがかかったわけで、このような資料を作って臨みました。

普段、IoTやAIのことばかり考えている私ですが(特に最近は)、どちらも技術でしかありません。その技術をどういう場面で何のために使うのかがもっと重要なことです。
IoTはITが生活の中に浸透するためのラストワンマイルだと思います。すっかり普及したスマートフォンもラストワンマイルを埋めるデバイスだと思いますが、IoTはより身近に、そしてスマートフォンが埋められない部分も対応できる技術といえます。

共演者の方からの質問の中で気づいた(思いを強くした)のは、IoTは普段の生活の中にもっと浸透していけるということです。それは、ただ何かが便利になるとか、人がいらなくなるという意味ではありません。頑張れば人間だけでもできるけど凄く大変だということを、IoTを使って楽にできるようにするのが良いのではないでしょうか。

配信の中では、病院食の献立についての話が出ました。栄養のことも考えながら患者さんの好みにも合わせることができれば、本当に素晴らしいと思いますが、いざやろうとすると凄く大変なことは容易に想像できます。いま、IoTが入ったからすぐにできるかというと難しいかもしれませんが、例えば何をどれくらい食べたとか、それで体調はどう変わったかといったことを捉えることはIoTを使えば自動的にできる可能性があります。少なくとも、人間が(例えば看護師さんが)それを記録し続けることは無理だと思いますが、IoTならできるかもしれない。データさえ取れれば、調理に無理のない範囲で献立のバリエーションを作り、患者さん個人個人に合わせていくことができるかもしれません。

IoTをどう使うかを考えるには、現場視点の発想が必要なのだと思います。ITベンダーだけの発想では無理です。
だからといってIoTやAIで何ができるかが分かっていないと、そういう発想にも至らないわけで、現場+ITの両方を組み合わせて、考える必要があるでしょう。
そのためにも、ITベンダーでない方たちも、IoTやAIで何ができるか、IoTやAIが普及した社会はどのような姿になるのかを知ることは重要なのではないでしょうか。それが、この番組の意義だったのかなと思います。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。