これからの時代の書斎作りを前提とした家を選ぶ

以前書いたように、今年中を目処に私たち夫妻双方の地元である福岡県にUターンをしようと考えています。福岡県といっても広いので、私の地元である北九州市か、妻の地元である福岡市ということで考えています。

住む家を選ぶにあたって、条件はいろいろあります。戸建てにするのかマンションにするのかという話がありますし、予算というものもあります。駅に近いかとかスーパーやコンビニの利便性はどうかとか、考えるべきことはいろいろとあるのですが、ここでは純粋に私の仕事場所という観点、つまり書斎作りの観点での家選びを考えてみようと思います。

家作りにも触れている「知的生活の方法」

私の仕事生活というか、個人的な学び生活というか、半分パブリック、半分プライベートな領域での生き方を考える上で、バイブルとなっている書籍は「知的生活の方法」です。このブログでも何度も触れています。

1976年に初版が出て、今でも売っているという凄い本なのですが、書斎をどう作り、どう過ごすかということがメインテーマのこの本で家作りについても書いてあります。わざわざ建築家の助けを受けて、知的生活を送る上で理想的な家とはどのようなものかを考えているのです。

本書における知的生活とは本を読み、考え、文章を書く生活であり、そのための書斎の条件として、下記2つのことが検討されています。

  1. 大量の書籍を格納する書庫をいかに作るかということ
  2. 喧噪を離れて考える場所をいかに作るかということ

書斎と言っても、ほんとうは仕事のための洋式書斎、気分を換えて和書を読むための和風書斎、本を整理貯蔵する書庫、それにくつろいで軽い物を読むための居間か応接間などがあれば申し分ないが、それでは幻想に近くなるので、それはいちおう別ということにする

この例は、気分に合わせて適宜、書斎を使い分けることができるというもので、最も理想とするものと言えるでしょう。以後、その幻想からは離れて、現実的なプランが2つ登場するのですが、いずれも上記の条件を実現するものとなっています。

いま必要と思う書斎のある家選び

知的生活の方法で挙げられていることを踏まえて、私なりに考えてみると、このような条件があると思います。

  1. 本や資料を格納できる場所がある
    デジタル時代なので紙の本や書類だけが重要ではないのですが、やはりそれを格納する場所は一定量必要だろうと思います。
  2. 静かに考え、作業する場所がある
    ここまでは知的生活の方法に書いてあるとおりですが、やはり喧噪を離れることができる場所は必要でしょう。
  3. コンテンツを作る場所がある
    これからの時代、作り出すコンテンツは文章だけではないでしょう。写真を撮る、動画を撮るということをするためには、スタジオ的な場所を持つ必要があります。これはある程度の空間を必要とするので、家選びをする上で重要でしょう。
  4. 人がゆるく集まる場所がある
    これを家の中で持てるのか?という疑問はあるのですが、自分の家がコワーキングスペースのようになっているというのは、なかなかワクワクすることかもしれません。ちょっとしたイベントや教室を開ける場所を自分の家の中、もしくは自分の家の近くに持てれば、活動の幅が広がります。
  5. 散歩できる場所がある
    多くの哲学者は定番の散歩ルートを持っていたといわれます(知的生活の方法にも書いてあります)。自分の家からすぐの場所に散歩できる自然があることは知的生活を送る上で重要かもしれません。
  6. 書店やカフェがある
    これも自分の家の近くに欲しいものですが、書店は本を買うというだけでなく、刺激を受ける場所として必要です。また、いくら自分の家に作業できる場所があっても、時には気分転換できるサードプレイスがあると好ましいでしょう(知的生活の方法では、少し高価なコーヒー1杯を頼んで英字新聞を読む話があります)。
  7. 運動できる場所がある
    最近の私の良くないところですが、体重が増えてきています。一度はダイエット成功したんですけどね。体が重くなると、頭の回転も重くなりがち。家の近くにジョギングやサイクリングをして心地よくなれる場所があるといいなと思います。これは、先ほど挙げた「散歩できる場所がある」が満たされていれば、大丈夫かもしれません。

ざっと考えただけでも、こんなに出てきました。まだ他にもありそうなのですが、それは追々考えるとして、こんな理想を満たすような家探しができるかどうか・・・。進捗があれば、また書こうと思います。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。