生成AIについて話すために日本の半分くらいを一周した話

1月26日の土曜日から出張で、ようやく帰途についています。といっても、まだこの後「ITC Synergy Forum」があって、大阪のコワーキングスペース(個室)に立ち寄って、それに参加してから帰ろうという段取りなのですが・・・。

ここまでの道のりを振り返りつつ、感じたことを書いてみようと思います。

ITCかがわ様セミナー

1月26日は小倉を新幹線で出て岡山へ。そこから瀬戸大橋線のマリンライナーに乗り換え、高松が最初の出張先。高松には今回が2回目(観光を入れると3回目)で、前回もITCかがわ様に呼んでいただいてPower BIのセミナーを行いました。

今回は生成AIのセミナーで約4時間。生成AIに関する座学から始まって、ChatGPT、Perplexity、NotebookLM、Gammaといったツールを使った実習を行います(私が最近やっている生成AIセミナーで実習を含むものは、だいたいこの流れでツールを使っています)。

約20名ほどのご参加があり、その後は懇親会もありましたが、「これは仕事に使える!」という感想を多くいただきました。特にPerplexityとNotebookLMは、情報収集から整理・分析の作業でかなり使えるので、この実習だけで終わらずに、ぜひ実務でご活用いただきたいと思います。

特にこのセミナーの受講者であるITコーディネータの皆さんは(私もITCですが)、ITを軸にしつつも、支援先の業界はいろいろということが多いと思うので、業界調査の情報収集・分析は日常茶飯事にされているはず。そうした皆さんから、使えるという感想をいただいたのは何よりでした。

かがわ産業振興クラブ様講演

翌27日は、かがわ産業支援財団様主催の、かがわ産業振興クラブセミナーで講演させていただきました。後の懇親会(立食パーティー)には香川県知事も来訪される(いろいろお話もさせていただきました)など、香川県の産業振興のキーパーソンの皆さんが集まった中での登壇でした。

会場に60名、さらにオンラインでも50名以上の方を前に、80分の講演。後で大変好評であった旨、ご連絡をいただきました。懇親会においても、多くの方とお話させていただき、そこでも「生成AIがこんなに凄いとは思わなかった」とか「すぐにでも使いたくてうずうずしている」といった声を聞くことができました。

一方で「便利なのは分かったが、情報セキュリティの不安はないのか?」というご質問もありました。講演の中でも触れたのですが、やはり実務で活用しようとすると、この点が一番不安になるのは頷けます。いままでにも何度か生成AIのセミナーは行っていますが、その度に出てくる質問です。

私の回答としては、まずは会話の内容をアップロードしたファイルが、生成AIモデルやサービスの学習に使われないかを規約や設定画面等で確認することです。そこで問題ないと分かったら、あとは業務で使うファイルをOneDriveやGoogle Driveにアップロードするのと同じことではないですか・・・ということ。

とはいえ、企業で本格的にとなると、ガバナンスの整備が必要になってくると思います。セミナーや講演では、いつもAI事業者ガイドライン(総務省・経済産業省)の説明を入れるようにしています。このガイドラインでは、AIの開発者・提供者だけでなく、AIを業務で利用する利用者もAI事業者と位置づけ、ガバナンスの整備を求めています。便利!凄い!という話に終始してしまいがちな生成AIですが、こうしたガバナンスの話もするのは、企業内で社員のみなさんが安心して生成AIを活用できる環境を整える必要があると思うからです。

うどんも食べました。

山梨県の企業でプライベート研修

火曜日(28日)には高松を後にして、再び瀬戸大橋を渡って岡山、さらに新幹線で東京へ。この日は移動だけ(といいつつ、夜にリモートミーティングがありましたが・・・)で、29日は東京のいつもお世話になっている研修会社で2本の登壇。これはデータ分析・AI絡みの内容ですが、生成AIではない話。

1日だけ、東京。

その登壇が終わった後は新宿に移動して、特急あずさに乗って甲府へ。

甲府では30日、31日の2日間、某企業様でのプライベート研修に登壇。生成AIの概要から、ITCかがわ様でも行ったPerplexity、NotebookLM、Gammaの実習、さらにDifyを使った生成AIアプリ開発の初歩まで、盛り沢山の1日研修で講師を務め、2日間で50名以上の方に受講いただきました。

研修内容にDifyまでを含めたのは、こちらの企業がシステム開発を業務として行っていることがあるのですが、様々な便利な生成AIツールの中身(たとえばRAGやチャット)がどのようにできているのかを知ってもらうことで、ツールの使い方のコツも見えてくるのではないか・・・とも、思ったからです。

2日目となる31日の研修の中では、DeepSeekがNVDIAのチップをシンガポール経由で入手していたのではないか?とか、Sakana.aiがTinySallow-1.5Bを発表したというニュースが入ってきて、さらがらニュース解説のような内容も入りましたが、それだけ生成AIの世界はいま動きが激しいということをお伝えできたのではないかと思います。

ホテルの部屋からは富士山が見えました。

ほうとうも食べました。

2月1日はITコーディネータの日

ということで、先週の日曜日から今日は土曜日ですから丸1週間のセミナーツアーの様子を書いてきました。この文章を書いているのは、静岡から新大阪に向かう新幹線の中。今日の朝、甲府から高速バスに乗って静岡に移動し、この新幹線に乗ったのです。

新大阪で降りるのは、最初に書いたとおりITC Synergy Forumにリモートで参加するためです。リモート参加なら、最悪新幹線の中からでも良さそうなものですが、私は生成AIをテーマにしたグループで、ちょっとお話をしたり、皆さんの意見をまとめたりしないといけないため、しっかり取り組める場所を取る必要があるかなと。

今年から、2月1日はITコーディネータの日になりました。それを記念して行われるITC Synergy Forumが、ITコーディネータ業界としての生成AIへの取り組みの狼煙になることを期待しています。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AIに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」を開発し、北九州発!新商品創出事業の認定を受ける。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。