話をしたと言っても、講演したわけでも、LTしたわけでもなく、ただ一人で飲みに行って、たまたま隣に座ったエンジニア氏に話したというだけなんだけど・・・。
そのエンジニア氏はユーザ系企業のエンジニアで、いわゆる業務系のシステムを作っている方。その辺は、私も同じなので意気投合したわけで。
業務系とWeb系の断崖
最近私が言っていることの一つに、業務系とWeb系の断崖ということがあります。
フリーになって、会社を作ってからというもの、コワーキングスペースとか技術系のイベントとかに行って、Web系のエンジニアと知り合いになることが多いのです。
そこで感じるのが、Web系のエンジニアと業務系のエンジニアは何か違うなぁということ。
まず、コワーキングスペースとかだと業務系のエンジニアに出会うことが少ない。技術系のイベントだとそれなりに会うこともありますが、やっぱりWeb系のエンジニアの方が多い気がします。(私が行っているイベントがそういう系だというだけかもしれませんが)
でも、私が普段仕事をしている業務系の現場で、そういう人の中に出ていく系の行動をしている人ってあまり(・・・というか、ほとんど)出会わないし、やっぱりそうなんじゃないかと思うのです。
何が違うのか。
Web系の人は技術に貪欲で行動のスピード感とか瞬発力が凄い。業務系の人は技術的なことはあきらめちゃってる感があってWeb系のスピード感とかは感じているようだけど、住む世界が違うと思っている。ビジネス的な発想もWeb系の人の方が強いように思う。
というのは、極めて単純な理解であって、逆パターンも当然あるだろうし、Web系のエンジニアの方が業務系より優れているというわけでもありませんが・・・。
タイムマシン経営
でも、昔からWeb系(というかその時代ごとのB2C系)の方が先端技術を導入しがちで、その辺でしっかり技術検証されてから業務系でも採用され始めるというか、そういう時間差はあると思います。
これはある意味で、昔の米国と日本の関係に似ていて、そこで名を成したソフトバンクの孫正義社長のようにタイムマシン経営が成り立つ余地があるのではないかと思うのです。
つまり、Web系の先端技術を、いかに早く業務系に持ってくるか。
もちろん、業務系に持ってくるためには信頼性とか求められるものもあると思いますが、でも、かといってWeb系もそこで提供してるサービスが止まれば一気に売上がなくなるわけで、切羽詰まり感は業務系と差がないというか、むしろWeb系の方が切迫しているような・・・。切迫しているからこそ、新技術を貪欲に使っていくしかないのではないか。
Web系と業務系のブリッジSE?
ブリッジSEというと日本と中国とか、海外のエンジニアとの間に立つエンジニアなわけですが、Web系と業務系の間でタイムマシン経営が成り立つとしたら、Web系と業務系の間のブリッジSEも成り立つのではないか。
例えば、これは実際に当社でやっていることなのですが、業務系のお仕事をWeb系の人に出す。ただ、直接ではなくて当社(というか私)が間に入って、業務系のユーザとの応対をやって、開発はWeb系のエンジニアにお願いする。
(「たまたま」であろうことを断ってはおきますが)常駐前提で来てくれる業務系のエンジニアより、常駐はNGでもWeb系(というかB2C系)のエンジニアの方が圧倒的に生産性が高かったりして、常駐さえ求めなければ、そしてその間に立つブリッジのエンジニアさえいれば、少なくとも私の目前にある事例では10倍以上の生産性(金額あたりの成果)が出ているわけです。そこにブリッジのコストを加えても、まだまだ安い。
この「安い」というのは、オフショアの場合の「(物価の違いによる)単純に単価が安い」ではなく、生産性の違いによる「実質的な安さ」です。
その上で、Web系ならではの柔らかい発想というか、業務系とは違う目線での提案まで手に入ると思えば、「安さ」は想像以上のものがあります。
まとめ
まとめというほど、自分の中でもまとまってはいないのですが、最近の私はこんなことを感じているのです。
1,000万円までは行かないけど100万円は超えるくらいのレンジの仕事を、クラウドソーシングに流すという企みがあって、当社も0.5枚くらい噛んでいるのですが、たぶん、単純に仕事を流すだけでは上手くいかないのではないかと思っていたりします。というか、適した仕事がなかなか出てこないだろうと思うのですね。
ユーザ側はおそらく誰かが来てくれないと不安だろうし、仕事をする方は常駐したくないのだから、この間には埋められない溝があります。この溝をうまく埋めてくれる人が必要ではないか。(もっと言えば、うまく埋める「方法」があれば良いのです。)
当社としては、その辺に微かな可能性を感じていたりするのであります。(ということを福岡とか、他の場所でも話したりしているのさ・・・ということで。)