6月24日にロフトワーク渋谷で行われた、「START INNOVATION! with this visual toolkit.(邦題:スタート・イノベーション! ビジネスイノベーションをはじめるための実践ビジュアルキット&思考ツールキット)」の著者ハイス氏の来日イベントに行ってきました。
昨日はパネルディスカッションで共感した議論があったので、それについて書きました。
今日は肝心の著者ハイス氏の講演について、書いてみようと思います。講演の書き起こしではなく、イベント全体で(著書も含めて)ハイス氏が述べたことを私がどう理解したかなので、誤りがあるかもしれません。
イノベーションの定義
何がイノベーションかを定義するためには、「どれだけ新しいか」と「誰にとってのものか」を考える必要があります。
例えば、初代のiPadはイノベーションでしょう。では、初代iPadの後に出たiPad2もまたイノベーションと言えるでしょうか?
イノベーションは、改善ではなく改革です。
あなたがテニスを始めたばかりなら、テニスボールはあなたにとってイノベーションかもしれません。
そのイノベーションは自分にとってのものか、自社にとってのものか、市場か、社会か。。。
イノベーションは、OTHERにとってのものです。
タイミングを見計らう
あなたが扱う商品・サービスが成長の真っ最中にあるものなら、イノベーションは必要ありません。
イノベーションを起こすスイートスポットは、成長率に陰りが見え始めた時と、マイナス成長が始まった時です。
成長率に陰りが見え始めた時は、まだお金がありますが、経営者に切迫感はないかもしれません。
マイナス成長の時は、経営者に切迫感がありますが、リストラも始まっているかもしれません。
これはトレードオフです。
1人ではイノベーションは起こせない
イノベーションには様々な人が関わる必要があります。
あなたは、あなた自身の子供を可愛く思いますか?それは、可愛いですよね。
では、隣家の子供はどうでしょう?そうでもないのではないでしょうか。
アイディアも同じです。自分のアイディアは可愛いのです。
だから、イノベーションのアイディア出しは、みんなでやらないといけないのです。
不確実性を減らす道
雪道があります。
大人は、道を歩きます。では、子供はどこを歩くでしょうか?
そう、雪の上を歩きます。
イノベーションは最初は不確実性にあふれていますが、出来るだけ不確実性を減らして、道を示してあげなければ、他のメンバーはついてきません。
観察と学び
アムンセンは南極点に最初に到達した探検家です。
彼は、まずエスキモーの生活をじっくり観察し、学びました。
初めてのマーケットに進出しようという時は、まずそのマーケットをじっくり観察してからアイディアを出す必要があります。
一頭の馬に賭けるな
ヒラリーはエベレスト登頂を最初に成功した登山家です。
彼は、イギリスの登山隊の中で、第2チームでした。
1つのビジネスプランで、いくつものチャレンジを行う必要があります。
チーム作り
チームには様々な人を参加させる必要があります。
チームのスピードは誰が決めるのでしょうか。先頭を走る若者ではなく、最後尾にいる保守的なCEOです。
意思決定者をジャーニーに参加させましょう。ともにプロセスを経ることで、信用を得るのです。
6人のイノベーターと、4人の保守的な人を組み合わせましょう。
顧客の不満
顧客の不満を解決するから、変化が起きます。
イノベーションは顧客の不満を見つけるところから始めます。その不満を解決するためにアイディアがあるのです。
「あれば良い」ではなく「なくてはならない」です。
顧客の声が、説得材料になります。
ビジネスに立ち戻る
企業は成長を望んでイノベーションを起こそうとします。
だから、必ず最後はビジネスに立ち戻らなければなりません。