ITコーディネータ協会の機関誌に掲載されました

ITコーディネータ協会の機関誌「架け橋」のVol.36に、プロセスガイドラインVer.4.0の執筆メンバー座談会が掲載されました。

私も執筆メンバーの1人として座談会に参加しています。

座談会は、プロセスガイドライン執筆の裏話や、活用のアイディアなどの話題で盛り上がり、「ビジネスのプロセスを回せるITCへ」というタイトルでまとめていただいています。

座談会の前日もITコーディネータの大先輩とお酒を入れながら、いろいろとお話をさせていただいていたのですが、そこで気づいたこと(それをもとに座談会で話したこと)が2つあります。

PGL4.0には失敗が組み込まれている

ちょっと極端な言い方なので、記事では少し柔らかい言い方になっているのですが、PGL4.0は失敗しても良いプロセスになっているのではないかということです。DXを推進する上では仮説検証のようなプロセスが必要となることが多く、そうである以上は、事前に計画したものを間違いなく進めれば、絶対に成功する・・・というようなウォーターフォール型の進め方にはなりません。

つまり、敢えて失敗しても良いというか、失敗によって学べることがあるという考え方であり、そのためにサイクル型のプロセスになっているわけです。ただ失敗すれば良いというわけではなく、そこからしっかり学ぶことが事前に計画されている必要があると思います。また、組織として失敗を受け入れる心理的安全性も必要で、それは組織文化の醸成やデジタル経営成熟度のスパイラルアップ、組織学習としてPGL4.0に組み込まれています。

価値提供・運用や提供価値検証から始めても良い

PGL4.0には日々の業務(定常業務)である価値提供・運用プロセス(P5)が含まれており、そういう意味ではデジタル経営に取り組んでいなくてもP5は進行している(ただ、デジタル経営についての取り組みは行っていないので、成熟度はゼロに等しい)といえます。

ならば、定常業務の様子をしっかり観察して、それを提供価値検証プロセス(P6)で評価するというところから始めても良いのではないかということです。その評価に基づき、現場でのデジタル化である価値実現サイクル(C2)を始めても良いし、その活動を礎として経営のサイクルであるデジタル経営成長サイクル(C1)に移り、正規のデジタル経営プロセスを始めるという流れがあって良しかと。

暴論かもしれないが・・・

どちらも暴論かもしれないのですが、実際の話として、デジタル経営サイクルを正攻法で進められる企業ばかりではないというか、そうでない企業の方が多いのでしょうか。

PGL4.0をしっかり理解し、それを元にテーラリングした結果として、このような進め方になるのであれば、問題ないのではないかと思うのです。

そんな話も少し、この記事には入っていますので、是非、ご覧ください。

機関誌「架け橋」は、ITコーディネータ協会のサイトより購入できます。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。