生成AIの時代こそ、自分の意思が重要になる

昨日は福岡県のある企業の社内研修で、生成AIの活用について、実習を含めて5時間ほど登壇させていただきました。

ChatGPTの活用方法を実習でお伝えした後は、Perplexityで情報検索と収集をして、NotebookLMで情報整理と提案内容の作成、Gammaで提案資料の作成という演習をやっていただきました。

単純な会話以上の生成AIの活用方法として、好例の一つだと思います。この使い方は、すごく役立った感がありますよね。実際、とても役立ちますし。

ただ、実習としてやっていただくと、あっという間に提案書が出来てしまうので、ある意味であっけなくもあります。1時間ちょっとの時間を取っても、30分くらいでなんとなく出来てしまっている。それだけ、生産性は高いと言えます。

生成AIを使うと誰でも同じ成果物ができるのか?

それはそうなのですが、一方で「これは誰が作っても同じものが出来るね」という声も聞こえてきました。私は、これはいけない、勘違いを引き起こしてしまったと感じたので、「もっと時間はあるのでGammaに行く前に、PerplexityやNotebookLMで考えを練りましょう」とアドバイスしました。

さらに、生成AIの言うことをそのまま受け入れるのではなく、自分の考えと違うなら批判的な質問をしてみてください、とか、生成AIの回答は総花的になりがちなので、その中から何を選択するかに自分の意図が入るはずだ、という話を矢継ぎ早にしました。

そのアドバイスは理解してもらえたと思います。生成AIを使って作った資料で発表するなら、かなり読み込んでおかなければならないという感想がありました。そのとおりだと思います。何てあれ、自分の名義で発表したら、その人の責任なのです。質問が来たら、責任を持って回答しなければなりません。

研修の場で作るものであれば、操作を体験することが目的になるので、成果物にそこまでの思いは入らないかもしれませんが、実践の場ではそんなことはないでしょう。

あくまで生成AIは人間をサポートするものであって、最終的には人間の意図が大事であり、人間しか責任は負えないのです。それでも、生成AIを使えば、人間の思考を拡大してくれることは間違いなく、資料の調査と壁打ちにはうってつけですし、人間が何をつくりたいか、を明確に出来れば、資料作成もあっという間にやってのける。

生成AIの使い方を教えるのではなく、生成AIを使った仕事の仕方を教えるような研修にしなければならないと感じた一日でした。

伺ったのは基山。

帰りは鳥栖まで行って特急に乗り換えましたが、鳥栖といえば久光スプリングス。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AIに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」を開発し、北九州発!新商品創出事業の認定を受ける。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。