生成AIを業務に組み込もう(Gen2Goのご紹介)

弊社(株式会社ビビンコ)では、昨年からいくつかの生成AIを業務システムに組み込む開発に取り組んできました。

例えば、不動産会社の物件紹介サイトにおいて、いくつかのサイトに同じ物件を紹介する際、元の物件紹介文は不動産会社の社員が書くとして、他のサイトの文章は単なるコピーで良いでしょうか?Googleは同じ内容のページはコピーコンテンツとして評価を著しく下げます。そこで、生成AIにリライトさせようというアイディアが出てきます。サイトのコンセプトに合わせて、それぞれリライトしていけば良いわけです。

また、他の会社では物件に関する問い合わせについてのメールの返信を、生成AIで文案を作り、その文案をもとに営業担当者がアレンジして、顧客にメールを送るということをしようとしています。

ChatGPT Plus / Proがあれば良いのか?

このようなことは、社員に対してChatGPTの有料版であるPlus / Proのアクセス権を与えておけば、あとは社員が自由にやってくれるだろう・・・と思うかもしれませんが、実際にはそう上手くは行きません。社員の全員が生成AIに真面目に取り組んでくれる保証はありませんし、AIが生成する文章の精度はプロンプト次第であることは広く知られているところです。仮に社員の全員が取り組んだとしても、生成AIの使いこなしの巧拙は人それぞれです。

つまり、生成AIを上手く使えば業務の効率化や、業務品質の平準化する可能性があるものの(もちろん経営者はそれを期待するわけです)、ただChatGPT Plus / Proを使えるようにしておけば、それでOKということにはなりません。何らかの工夫が必要になるのです。

生成AIを業務システムに組み込むことは、その工夫の一つです。プロンプトは毎回、同じものを使います。生成AIを使うシーンも特定できます。そうすれば、社員ごとの生成AIの使いこなしの巧拙は気になりません。業務システムは絶対に使うものなので、社員によって生成AIを使ったり使わなかったりということにはなりません。また、想定外の使い方をしないことはリスクを低減させることにもつながります。(新たな用途を見つけ出す場合は、ChatGPTのようなチャット形式での活用が必要にはなりますし、それも重要なことです。)

生成AIを業務システムに組み込むのは大変

一方で、業務システムの開発に携わっているエンジニアが、生成AIの活用に長けているかというと、必ずしもそうではありません。
生成AIをシステムに組み込もうとすれば、大規模言語モデル(LLM)の使い方に慣れる必要がありますし、新たなLLMが出てくれば、その検証と対応も必要です。企業独自のナレッジを生成結果に活用しようとすれば、RAGといわれる技術にも精通しなければなりません。また、プロンプトの編集画面や生成ログの保存、確認画面の作成など、いろいろと開発する必要のある要素があり、そんな工数はかけられない・・・という実情もあると思います。

生成AIを業務システムに組み込むメリットはあるけれども、実装は大変だという現実があるわけで、それを解決するソリューションが必要ということになるでしょう。

弊社が開発しているサービス「Gen2Go」はまさに、そのためのソリューションです。

Gen2Goでできること

Gen2Goの基本的な機能は、プロンプト(システムプロンプト)を共通化することと、生成ログを管理することです。OpenAIのGPTに限らず、Azure OpenAI、GoogleのGemini Pro、さらに最近話題のAnthropicのClaude3も使用できますから、使用するLLMを切り替えて、生成結果の違いを試すこともできます。

業務システムに組み込むための機能として、API呼び出しの方法はもちろん、JavaScriptスニペットも提供します。

企業独自のナレッジを使って回答するRAG機能も搭載しています。テキスト、URL、CSV、PDF、Word、PowerPointのファイルを読み込み可能です。RAGを使用して文章生成した場合は、どの文書のどの箇所を参照したのかを確認することもできます。

チャットボットとして活用することも可能です。APIで独自のチャットボットを作ることもできますし、Webサイトに組み込まれたよくあるチャットボットのインタフェースであれば、JavaScriptとCSSファイルの読み込みだけで動作します。WordPressサイトに組み込むためのプラグインも提供します。

RAGを上手く使うと、社内のナレッジ共有の仕組みとして使いたいというニーズも出てくるでしょう。そのために、ChatGPTのようなフルスクリーンのチャットインタフェースもあります。

ウエイティングリストに登録してください

Gen2Goは2024年5月にサービスインする予定です。
現在、ウエイティングリストの登録が可能で、新たな情報があり次第、共有させていただきます。

また、早期アクセスについても順次始めていきますので、ご期待ください。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。