自分の仕事に誇りを持つということ

今、目の前にある仕事をどう捉えるかによって、人生はずいぶん変わるのではないかと思う。
今、目の前にある仕事は、まぁ色々と思い通りでないこともあるだろう。しかし、全体的に見て、自分が昔…そう、学生の頃とか…に思い描いた仕事と、どのくらい違うのだろうか。もしかしたら、それほどは大きく違っていないのではないだろうか。
もし、そうだとすれば、大変にハッピーなことだ。

実は、自分自身がそういう状態なのだ。
だが、私は目の前の仕事を軽く見ていた。小馬鹿にしていたといってもいい。
その結果、私のモチベーションは著しく低かった。当たり前なことだが。

今、目の前の仕事…目の前のプロジェクト…に入って、2年が経とうとしている。非常に大きなプロジェクトである。
それだけいると、立場的にもそれなりに重要な存在になってくる。
そのため…ということもあるが、自分の仕事を見つめ直すと、このプロジェクト…この仕事は、まだまだ取り組み甲斐があるのではないか、この仕事を続けることで自分はもっと成長できるのではないか…というふうに思うようになった。

もう、3年ほど前に、新卒で入って6年以上を過ごした会社を辞めたとき、自分のキャリア、前途というものが見えなかった。
当時はグループリーダーという立場にあったから、そのまま続けていれば、いずれグループマネージャーになって、うまくすれば部長になって…ということは想像できた。しかし、それが自分のやりたいことかというと、どうも、そうは思えなかった。
その上、他のキャリアは見えなかったから、閉息感だけが残ったのだった。

そう振り返ると、先に書いたような心境に至ったのは幸いである。
この2年間、SEをやめることだけを考えてきたのだが、それもいい経験というか、そういう風にも思えなくはない。

まだ、この仕事に誇りを感じるというところには至っていないが、それはこれから、私が目の前の仕事をどういう風に見ていくかにかかっていると思う。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。