ソフトバンクが携帯電話のGPS機能を使って分単位で人の居場所を認識し、それに沿ったエリア情報の提供や、災害時に避難情報を流すなどの実験を始めるとのこと。
今まで、携帯電話の基地局情報から情報提供するサービスはあったように思いますが、GPSとなると精度は段違いで、さらにきめ細かい情報が提供できそう。ただ、ユーザーの行動履歴を把握することから、プライバシー問題も出てきます。
企業のマーケティング活動は、市場をセグメント分けしないマスマーケティングから、市場をセグメント分けして、その特定セグメントに向けた活動を行うターゲットマーケティングに進化しました。最近のトレンドは、セグメントの分け方を、性別や年齢といった表面的な特徴による方法から、ネット上での活動履歴などその人のパーソナリティに踏み込んだ方法(サイコグラフィック)に進んでいること。
ネット上での活動履歴は、Cookieを使うことで比較的簡単に取得できますが、携帯電話のGPSを使えばリアルの活動履歴も取得できるようになります。しかし、それを実際にマーケティングに使うとなると、上記のようなプライバシーの問題がネット上の活動履歴よりさらに問題になるという他に、GPS情報を取得できるのが携帯電話キャリアに限られるのではないか?という点も気になります。
活動履歴を取得できる企業が広がるほど利便性は上がるけれども、それだけプライバシーが脅かされるという背反した問題となるので、このソフトバンクの実験後の動きに注目です。