米新聞、ITに活路探る

米国での新聞発行部数は、2位のウォールストリートジャーナル(WSJ)の微増を除いて、軒並み減少するなど低迷しています。
一方で、新聞社サイトの閲覧数は前年同期比10%増加と増えており、紙の新聞発行をやめてネット版に完全移行する新聞も出ている様子。

紙をやめても「Newspaper」なのかは微妙なところですが、この辺がアメリカらしい割り切りの良さなのでしょうか。そもそも、新聞社が紙にこだわる必要がどこまであるかは、じっくり考える必要がありそう。新聞の一次機能は「(テレビよりも)深掘りされた記事の配信」だと思います。「紙で毎日配信する」ことを二次機能と捉えるならば、代替手段を検討する余地は十分にあります。

サラリーマンが新聞を読む場所の代表格は、(特に都市圏では)通勤電車の中だと思います。現時点では、「紙」であることの利便性は、通勤電車で読むということを考えればアドバンテージがあります(小さく折りたたんで読むという技は、皆さん習得されているので)。
でも、それは比較的マシというだけで、様々な技術がある時代ではベストな方法ではありません。

日本でも、産経新聞がiPhoneで紙の新聞のレイアウトで読めるようになっています。米国では、WSJなどがAmazon.comと手を組んでKindle DXを購読者向けに割安価格で提供し、配信するということをやっているようです。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。