先月末に発表された新しいiPad Proが、今日、発売日を迎えます。
1年ほど前からiPad Proを使い始めて、ほぼ毎日、どこに行くときにでも持ち歩いて使っています。MacBook Proと一緒に持ち歩くときにはキーボードを外して、iPad Pro単体の時は本体+Apple Pencil+キーボードのフル装備で。
打ち合わせ時のメモも基本的にはiPad Proになりました。それまでは、MacBook Proだけでメモを取るか、手帳を持ち歩くかで試行錯誤していたのですが、もう、手帳は不要になりました。
今までのiPad Proで気になっていたこと
それでも、いくつか気になることがありました。
まず、Apple Pencilが持ちづらく、充電を忘れて使えないことも何度か起きたということです。持ちづらさはグリップを付けることで解決しましたし、充電を忘れていても30秒ほどLightningポートに挿しておけば使えるようになるので、対応はできるのですが、あまりスマートな方法ではありません。
キーボードも取り付けると分厚くなってしまうという欠点がありました。それで、サードパーティのキーボードを買ってみたら、さらに分厚いじゃないか・・・という笑えない話も。
また、なぜiPadのCPUはiPhoneより世代が遅れているのか?という根本的な疑問もありました。iPadの方がよりパワフルなことをするはずなのに。
こうした問題は、どうやら新しいiPadでは解決しているようなのです。Apple Pencilは新形状になって、持ちやすく、転がりにくくなったとのことです。また、充電方法もiPadの側面に磁石でくっつければ良いとのこと。これなら、一緒に持ち歩いていて充電を忘れることはなくなるでしょう。
キーボードもデザインが変わったようですし、CPUはやっと最新のiPhoneと同じどころか、それを上回るA12X Bionicが搭載されました。
期待よりもっと良くなったこと
最大のメリットはUSB-Cポートに変わったことだと思います。これでMacBook Proを持ち歩いているときは同じアダプターで充電できるようになりましたし、iPad ProからiPhoneを充電することも可能とのこと。
今後、どの程度のUSB-Cデバイスに対応するかは分かりませんが、少なくともHDMIやVGA接続は可能になるでしょうし、Mac用の周辺機器と共用することができればコストパフォーマンスが高くなります。
報道を見ていると、新しいiPad Proの登場で、タブレットどころかパーソナルコンピュータそのものが進化したという評価がされています。その言葉を額面通りに受け取ることはできないかもしれませんが、Appleがその気であれば、次に進化しないといけないのはiOSだと思います。よりPCらしい使い心地が新しいiPad Proの上でどこまで実現できるか、期待したいところです。
もう一つ、画面が大きくなったことも見逃せません。今までは10.5インチのiPad Proを使っていたのですが、ホームボタンがなくなったりしたため、同じ筐体サイズで11インチに画面サイズが拡大しています。同じ筐体サイズなら、画面が大きい方が良いのは言うまでもありません。
今日、受け取り!だったのだが・・・
予約したのは今朝なのですが、店舗での受け取りは今日から可能とのこと。配送だと2〜3週間待ちということなので、店舗用の在庫をうまく押さえられたのかもしれません。
と、いうことになったのですが・・・。
キャンセルしました。なぜ、キャンセルしたのか・・・。
20万円も出す価値があるのか?
上記のように、いま持っている(旧世代となってしまった)iPad Proへの不満は、おおかた新世代でクリアしているように思います。ただ、20万円を出すほどのことか?と、冷静になってしまったのです。
また、キーボードが本体の背面全体をカバーするデザインになって、どうやら分厚くなってしまうというのも、今後の取り回しに不安を残しました。
iOSの改善を待ちたい
さらに言うと、iPad Proを新しくしたからといって、できることが増えるわけではありません。
この記事にあるように、イラストを描くとか写真・映像の編集を仕事にされているクリエイター職の方なら、価値があると思います。しかし、私がiPad Proでやっていることは電子書籍などの閲覧、Webブラウジング、Apple Pencilを使った手書きメモといったところです。キーボードを使ってガツガツ文字を入力することもありますが、それほどでもないのは確か。
この記事には賛否両論あると思います。そもそもiPad Proはパソコンではない。Appleに言わせると今のパソコンの次にあるもの、新しい常識を作っているんだ!ということでしょう。
しかし、今回のiPad ProがMacBook Proクラスのパフォーマンスを誇っているというベンチマークを見せられても、Macのようなパソコンでない以上、少なくとも私の使い方からすると無意味なのかもしれません。
iPadシリーズはパソコンではない。そう性格付けているのは、iOSの存在です。iPhoneと共用しているiOSを使っている以上、iPadはパソコンにはなれないわけです。iPadにmacOSが乗ることも、iOSとmacOSが統合されることも当面はないでしょう。ならば、iOSがどこまで変わるかに賭けるしかありません。今回のiPad ProがUSB-Cへの置き換えなど、パソコン側に舵を切ったハードウェアになったのならば、iOSがそれに応えた作りになるはずです。
私としては、それが確認できた時点で、改めて新しいiPad Proの購入を検討したいということになったのです。