こんな本を読んできた。(1)~現代のストア哲学の名著

最近、しばらくネットから離れた生活を送っていたためか、ネット環境が復活してからも、PCの電源を入れている時間が大幅に減った。
今、こうやってブログの記事を書いているときは、もちろん、PCの電源を入れている。(短い記事は携帯から書くことも多い。)
しかし、ただ、だらだらとネットを見て回る時間が、減ったのは事実だ。

そこで余った時間をどう使うかというと、まずは寝るのだ。
きちんと寝ることは、大変結構なことである。しかし、色気のない話でもある。
だから、本を読むことにした。(それも、大して色気のある話しではないが…。)

今日、手に取った本は、スティーブン・R・コヴィーの「7つの習慣」であった。
最近、フランクリンプランナー絡みの話題が多く、思い出したかのように手に取ったのである。

「7つの習慣」は、自分にとって名著の1つだ。
頭の中に、考え方の道筋を、綺麗に1本引いてくれた。
しかし、「7つの習慣」より前にも、私に大きな影響を与えた本はある。
それについて、まとめて書いてみようと思ったのである。

長い前置きになってしまった。
最初に取り上げたいのは、ウェイン・W・ダイアーの一連の著書だ。
実は、ダイアーについては、以前にもこのブログで取り上げたことがある。
私の座右の銘として、「Pulling Your Own Strings(PYOS)」を使っていたこともある。
この座右の銘は、今では「7つの習慣」やフランクリンプランナーの影響によって、自作のミッションステートメントに置き換わった。
しかし、PYOSのスピリットは、「7つの習慣」にも共通している部分があるし、何より自分の個性に取り込まれてしまっている。

「Pulling Your Own Strings」というのは、ダイアーの著書の原題だ。(渡部昇一氏による訳書「どう生きるか、自分の人生!」が三笠書房から出ている。)
PYOSを日本語にすると、「自分を操る糸は自分で引く」ということだ。
これだけを見ると、何でも自分でやるということのように聞こえる。
だが、ダイアーの著書を読むと、決してそういうことではないと気づく。

そのココロは、自分が出来る範囲のことについて、自分の思うようにするということだ。
自分が出来ない範囲のことについて頑張ると、それは他の誰かの影響に引きずられているということになる。
明日の天気は自分では決められない。だから、明日の天気は思い悩まない。せいぜい、雨が振ったときの準備をする。それは、自分が出来る範囲だからだ。
同じように、他人の考えにも、思い悩まない。それは、自分の影響範囲にないからだ。

そうした発想は、(ストイックの)ストア哲学につながるというのが、ダイアーの訳書に寄せた渡部昇一氏の言葉であった。ダイアーの著書は、現代のストア哲学であると。

人がストイックにものを考え始めた時、その人はネガティブになるのだろうか。
答えはその逆である。その人はポジティブ・シンキングを始める。
まず、どうにもならないことを思い悩むことをやめる。自分の出来ることだけ、頑張れば良いのだ。

感情についても、重要な示唆が与えられる。
人が怒ったり、悲しんだりする。それは、なぜか。
PYOSで考えると、誰かが自分を怒らせたのではない。
誰かの行動について、自分が「怒る」という感情を選択したのである。
誰かの行動を変えることは出来ない。しかし、自分が怒るかどうかは自分の出来る範囲のことだ。
だから、怒って自分の感情を害することをやめれば良い。(もちろん、怒ることによる効果があるのならば、怒ることを選択すれば良い。)

そういうことだ。
こうした考え方は、どんなことにでも適用できる。
他からの影響だけでなく、自らの過去についても適用できる。自らのことでも、過去のことは自分の影響範囲になく、今の自分の捉え方だけが、自由になるからだ。
だから、基本的に私はポジティブ・シンキングだ。
そう考えることを、自分の中で選択しているのである。
ダイアーの著書を主に読んでいたのは、自分が中学生の頃である。
だから、かれこれ10年以上、そう思ってやってきた。
もちろん、個性になるはずである。
(その割に、私は人に影響されやすい。それは、私がACだからだろうか。その話も、またいつか…である。)

話を戻して「7つの習慣」だが、コヴィーはダイアーと同じようなことを言っている。
コヴィーの著書には、自らの経験として、よく出てくる話がある。
それが、PYOSで言っていることと同じことだったのだ。

その話は、またいつか。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。