薄い本ながら、いちいち身につまされるし、心苦しくなる。
それは、私が「なにがしかのプロフェッショナルになりたい」と常日頃言っていながら、目の前の仕事をまったくプロフェッショナルとしてやっていないということの証左で、それに気づくと、猛省に迫られる。
そういう思いで、書店の技術書コーナーの前に立つと、あぁ、自分はSEを仕事としていながら、知らないことばかりだし、何か勉強したいな…と思うのなら、勉強するべきことは目の前に山のようにあったのだ…と、悟らざるを得なかった。
日本のSI業界はいろいろ問題があるし、新3K職場だといわれれば、そのとおりだと思う。
しかし、そういう業界の片棒は自分自身も担いできたのだ。
「7つの習慣」でも、インサイドアウトの思想がある。自分を変えてこそ、世の中に影響を与えることが出来る。
著者は、このダメな日本のSI業界を本気でどうにかしようと心を砕いている。
インターネットの世界を見回しても、そういう人は見つけることが出来る。
私は一度はSEという仕事を放り出そうとした。(著者もそういう経験があるとのことだ。)
なぜ、放り出そうとしたのか。この業界をダメだと思うなら、自分は何をして変えようとしたのか。
何もせずに、ただ放り出すのか。
そういうことを考え始めると、本当に辛い気持ちになる。
しかし、そこをスタート地点にしなければ、自分は変えられないのかもしれない。
そんな、初心に立ち返らせる力のある本だ。
折に触れて、読み返すことを自分に課したい。