欧米で広がるCDO

最近、欧米企業ではCDOというポストを置く企業が増えているようです。なんでもかんでも「CなんとかO」ですが、CDOのDは「ダイバーシティ(多様性)」のD。最高多様性責任者というらしいのです。

組織の多様性というと、女性や(欧米では)有色人種などマイノリティの積極的な活用を指します。女性の社会進出などを支援するNPO「カタリスト」によると、女性役員の比率が高い企業群は、そうでない企業群よりも経営成績が良く、ROEで5割、粗利益率でも4割ほど高いといいます。

その理由は、男性だけで経営戦略を練るよりも多様な意見を検討できること(まさに「多様性」です)の他に、女性役員は男性役員よりも現実的に考える傾向があり、安定した企業運営につながるのだといいます。

私の場合、現在登録している派遣会社の社長が女性だったりするのですが、以前勤めていた会社では数十人いる部長の中で女性は1人だけとかでした。日本全体でみた管理職の女性比率はわずか9%と、欧米の30~40%と比べると大差。そもそも日本は島国で閉鎖的体質があるといわれることから多様性が低く、女性も活用できないとなると、多様性は一向に上がりません。

各企業が女性の活用を一層進める必要があるのはもちろん、社会全体の多様性という観点では女性起業家も、もっと増えると良いのではないかと思います。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。