LOOX Uを買ったのでレビュー

LOOX Uがずいぶん安くなっていたので買ってみた。10万円近くすると思っていたのに、ふたを開けてみると5万円を切るお値段。こんなに安くて良いのか?と思うくらい。
いままで、ずっとレッツノートのR8を使ってきた。10.4インチで1kgを切る軽量ボディでCore2Duoが載ってWindows7が快適に動くというので愛用していた。それが、やっぱりEclipseとかの開発ツールだったり、案外重いEvernoteをすいすい使いたいと思ったりで、そのスペックが不満に思えてきた。で、買ったのがAspire 3820-A52C。これは13.3インチで1.8kgだがCore i5だ。メモリも増設して6GBにした。これは感動的に速い。あぁEclipseが瞬殺で起動する!

と、それがここ数日の出来事なのだが、AspireにはWiMAXチップが載っていた。どんなものかと使ってみたら、さすがに自宅の光回線並みとまでは行かないが、イーモバイルなんて目じゃないぜってくらいのスピードが出る。料金体系も良心的だし、チップが載っていれば余計なカード類の出っ張りがないので、俄然WiMAXびいきになった。となると、持ち歩き用PCもWiMAXにしたい。Aspire導入後、それまでのレッツノートは持ち歩きに専念させるつもりだったが、WiMAXに対応させるにはカード買わないといけない。でもそれじゃぁスマートじゃない。WiFiルータにするという手もあるが、WiFiルータの電池のもちを気にするのは嫌だ。やっぱり、WiMAXチップが載った持ち歩きできるPCが欲しい!
で、それがLOOX Uだったのですよ!詳細な型番でいえば、LOOX U/G90。去年の夏モデル。それ以降LOOX Uシリーズは出ていないので、とりあえず最新機種ということになる。自分的にはこのサイズのマシンというと、7~8年ほど前に使っていたLibretto ff 1100以来か。

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購入理由の話が長くなったが、実際のところLOOX Uの使い心地はどうか。
LOOX UのCPUはAtom Z520で、メモリは2GBオンボードで増設不可。SSDは30GB。店頭売りモデルなので、そういうスペックなのだが、これでWindows7 Home Premiumが動いている。ネットブックじゃないのでStarterではない。さて、まともに動くのか。

結果からいえば、やっぱり重い。結構、待ちが発生する。ただ、それはデフォルトで使っている場合の話だ。Windows7の設定をいろいろ見直していけば、サクサクとまではいかないが、実用上問題ないレベルにまでは到達する。具体的な話はまた別のエントリーにしようと思うが、ポイントは画面表示のあたりだ。Aeroを切り、パフォーマンス優先の設定にしていけば良い。

スペック以外の話をしよう。まず、キーボードは16mmピッチであり十分ブラインドタッチできる。私は昔から小さいマシンを使うのに慣れているので、何の問題とも思わない。意外とキータッチの感触も良い。ファンクションキーがF1~F6までしかなく、F7~F12はFnキーとの同時押しになる点、一部のキーの配列が異なる点は慣れが必要だが、大きな問題にはならない。

画面は5.6インチ。小さい。そこに、1280×800ドットの高解像度である。当然、表示される文字は米粒のように小さい。一応、画面横のボタンを押すと1024×600ドット、800×480ドットに切り替えられる。もともと1280×800ドットの画面に表示するのでソフトフォーカスがかかったようになるが、実用にはなる。もっとお勧めは解像度は1280×800ドットのままにして、DPIを150%にすることだ。これなら文字のエッジはくっきりしたままで、見やすい画面表示になる。

バッテリーの持ちはどうか。これは、はっきり言って悪い。カタログスペックで4時間だが、通信をせずバックライトを下から2段階目くらいにすれば(実用的なギリギリの線)3時間ちょっとといったところだろう。WiFiかWiMAXの通信をすれば2時間くらい。家と会社の行き帰りでカフェなどによって使うのが主目的なのだが、それならなんとか1日持つ。ただ、かなり心もとないので、ACアダプターが小さめなので持ち歩くことにするか、バッテリーを買い増すかが必要になる。私は、Lバッテリーを買い増した。Lバッテリーは標準バッテリーの倍の容量なので持ち時間も単純に倍だと思えばよい。ただ、LOOX Uのバッテリーは底面を覆うようになっており、Lバッテリーだとキーボードが持ち上がるようになる。あまり見栄えの良いものではない。標準バッテリーなら見栄えはかなり良いので、その落差が激しい。そこで、私は標準バッテリーで通常運用することにして、Lバッテリーはカバンの中に放り込んでおくことにした。休日に週に1回くらいLバッテリーで運用すれば、バッテリーの劣化は防げるだろう。

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見栄えの話ついでに全体のデザインの話をして終わりにしよう。全体的にデザインは洗練されていると思う。3種類のカラーバリエーションの中から、私はモカブラックをチョイスしたのだが、その名のとおり、ただの黒ではない。どちらかといえば茶色に近い。天板だけでなく、標準バッテリーなら底面も同じ塗装になっているので統一感がある。画面部分を開くと全体が黒。ピアノブラック。そして、全体的にテカテカしている。このテカテカはプレミアム感を増すので、たしかにデザインには貢献している。ただ、本当にキーボードまでテカテカさせる必要があったのかは疑問。キートップに置いた指がちょっと滑りやすいんだよね。

あ、あと静粛性の話か。ACアダプターをつないで負荷の高いことをやっているとファンは壮大に回る。嫌な風切り音はしないようになっているが、静かとはいえない。ただ、同じことをやっていてもACアダプターを抜くとファンの回転はかなり穏やかになり、気にしなければ気づかない程度の音になる。この辺は富士通が良く考えている。たしかに、ACアダプターをつなげる環境ならある程度音が出ても良いだろう。バッテリー運用のときは外出時だろうから静かにしていて欲しい。そうした実用的なニーズにきちんと応えている。

そんなわけで、Lバッテリーを買って安心度が増したのと、Windows7の設定を見直してある程度まともに使えるようになってから、LOOX Uの満足度はかなり高まった。なにしろ非常に小さく軽いからどこにでも持ち歩けるし、ここぞの時にはWiMAXがある。おそらく、このサイズのマシンは今後もなかなか出てこないだろうから、長く付き合うパートナーになりそうな気がする。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。