スマートフォンは基本NGなAmazonのAPI規約がもっと凄くなっていた

当ブログの人気記事で、iPhone/AndroidアプリではAmazon APIが使えないというのがあるのですが、意外な盲点ということで注目いただいているのだと思います。

この記事のポイントは、Amazonの商品データベースを検索するためのProduct Advertising APIにおいて、下記のような規約があるということです。

4. 利用条件
Product Advertising API にリクエスト送信を行う、データフィードにアクセスをする、または商品関連コンテンツ を使用することにより、お客様は下記の要件を遵守することに同意します。
(e) お客様は、当方の事前の書面による同意なしに、携帯電話またはその他携帯端末での使用を目的とした、または意図したウェブサイトまたはアプリケーション上で、またはこれらに関連して、商品関連コンテンツを使用することはできません。

この記事は2010年2月に書いたもので、引用した規約もその時点で有効なものでした。

それから1年半が経って、スマートフォンも随分普及して、もしかしたら携帯端末での使用が許可されていたりしないかな?と思って、現在の規約を見てみたのですが、悲しいかな、もっと凄まじいことになっていましたとさ。

4. 利用条件
Product Advertising API にリクエスト送信を行う、データフィードにアクセスをする、または商品関連コンテンツ を使用することにより、お客様は下記の要件を遵守することに同意します。
(e) お客様は、当方の事前の書面による同意なしに、携帯電話またはその他携帯端末、いかなるセットトップボックス(例えば、地上・BS・CATV受信用ボックス、デジタルビデオレコーダー、ストリーミングビデオプレイヤー、ブルーレイプレイヤー、DVDプレイヤー等)または、インターネットテレビ(例えば、Google TV、ソニーBravia、パナソニックViera Cast、アクトビラ、Vizioインタネットアプリケーション等)での使用を目的とした、または意図したアプリケーション上で、またはこれらに関連して、商品関連コンテンツを使用することはできません。

おやまぁ。

「携帯電話や携帯端末」に限った制限だったのが、「いかなるセットトップボックスまたは、インターネットテレビ」という文言が追加になっています。しかも、Google TVとか、BraviaとかVieraとか製品名まで事細かに!

結局のところ、PC以外は大体ダメということで、いわゆるスマートデバイスは全滅ということのようです。

APIでマッシュアップしてアフィリエイトさせて、売上につなげるというのはAmazonのお家芸だと思うのですが、今後、PCからシェアが移っていく一方と思われるスマートデバイスでの利用を制限するとなると、そのお家芸が崩れてしまいます。AmazonにはAmazonなりの理由があって、このような規約を作っているのでしょうが、長い目で見た時にどういう結果をもたらすことになるのか、注目していきたいと思います。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。