Googleドライブは地味に普及するだろう

Googleドライブが25日発表されました。

気になるのはDropboxとの違いですが、Dropboxと比べるのはお門違いなほど、違うもののようです。

最大の違いは、Googleドライブには特定のファイル形式のファイルしか保存できないことです。Googleドキュメントで使用可能なオフィススイートのファイルのほか、AdobeのPhotoshopやIllustratorなど、30種類程度のファイルに限定されます。

これはGoogleドライブが、あくまでGoogleドキュメントの拡張として誕生しているからで、Dropboxのような単なるストレージではないのです。

一方、容量が無料で5GB提供される点は、Dropbox(無料で2GB)のアドバンテージとなっています。

最近のGoogleはソーシャルメディア系のサービスがうまくいかないことが続いていて、一時期のような何をやっても凄いという印象は薄れて、ふつうの会社になったというイメージがあります。
そのため、Googleドライブが始まるといっても、それでDropboxの天下が終わるというようには思いませんでした。実際、公開されたGoogleドライブの内容を見ても、Dropboxの天下は今後も続くだろうという確認が出来たに過ぎません。

しかし、Googleドライブが失敗かというと、そうではないと考えます。Googleが言っているように、母体となったGoogleドキュメントをはじめ、 Google+やGmailとの連携はシームレスになるでしょう。GmailにWordやExcelの文書が添付されていた場合にGoogleドキュメントに保存したり、文書を表示したりといった機能はいままでもありましたが、Googleドライブの誕生によって、さらに便利になると思います。

また、スマートフォンやタブレット向けのアプリの中には、Googleドキュメントと連携できるものも多数あり、これらもGoogleドライブとの連携に対応することで、スマートフォンやタブレットとGoogleドキュメントの関係がより良いものになっていく可能性があります。

Googleドライブの誕生は、まったく画期的なものではなく、私たちの生活を一変させるようなものではありません。しかし、地味に、じわっと、便利になっていくのは間違いないと思います。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。