なかなか続かないブログを、また書こうと思ったのは、いま私が旅行で大阪に来ていて、眺めの良いホテルの部屋にいて、MacBook Airに向かっているからなのです。
というのは、このホテルに向かう道中、今から7年ほど前、ちょうど私が6年半勤めた最初の会社を辞めた年に、小樽のホテルで何かブログを書いていたことを思い出したからです。(あの時、文章を書いていたのはLinuxZaurusでした。時代を感じます。)
いまいる大阪ベイタワーというホテルは駅とつながっていて、海の近くにあって、同じ建物の中に書店があります。
そして、7年前の小樽はヒルトン(いまは別の名前になっているようです)で、やはり駅にも海にも近くて、書店もありました。
なんか、似ているんですね。時期もちょうど5月だったと思います。
あの時の私は、SEとしての自分にいろいろ疑問を感じて、考え込んでいたのです。20歳からこの仕事を始めて7年目になり、いくつかプロジェクトに携わって、リーダーもいくつかやって、順調にキャリアを積み重ねていたのですが、はたと迷っちゃったんです。当時のWeb2.0ブームとか、倉貫さんの「ディフェンシブな開発〜SIビジネスの致命的欠陥」とかを読んで。
で、ブログに何を書いたかというと、「アーキテクトになる」といったことを書いたのでした。たしか、WEB+DB PRESSだったと思いますが、アーキテクトの特集のような記事を読んで、誰かが「将来はアーキテクト事務所のようなものが出来て独立する人が現れるかもしれない」といったことを書いていました。
それが、自分にはひどく魅力的に見えて、基本的に子供の頃から私は独立したがり、事務所持ちたがりだったものですから(中学生くらいの頃に、自分の事務所が持てるという理由で司法書士に興味を持ったりした)、いま自分がやっているITの仕事の延長線上で独立して事務所が作れるのか!と感動して、そういうことをブログに書いたのですね。
そして、いま。
最初の会社を辞めた後は、行政書士を目指すと言ってバイトをしたり、派遣社員としてSIの現場に戻ったり、大きな会社に一瞬入ったり、小さな会社で何かしたりしながら、ついに今年から独立して、フリーになって、Artisan Edgeというものを立ち上げたのです。Artisan Edgeは法人化していないので、便宜上でも会社と呼んで良いのか、事務所と言えば良いのか、個人ユニットとか言ったりとかしているのですが、とにかくそういうものを作って、活動を始めました。
そう考えてみると、あれから7年経って、自分の希望は少し叶っているのではないかと思ったのです。さっき。
とは言っても、いまの自分をアーキテクトと言って良いのか?というと、それは少し違うような気がするし、いまでもアーキテクトになりたいと思っているのかというと、それもまた違うような気がするのですが、ITという技術を持って、出来ればそれに経営とか+αの知識を持って、お客さんと一緒に考えたりいろいろしながら、何かにつけて役に立って、小さな事務所にようなものを続けていければよいなぁと思っているのです。
Artisan Edgeは今後、どうなっていくのでしょうか。どうしていくのでしょうか。
Artisan Edgeという名前を掲げてサイトを作り始めたのが去年の7月なので、もうすぐ1年となります。ちゃんと独立してからは5ヶ月です。その間、最初の礎を築くということで、いろいろと手を広げて動いてみました。その成果も少しずつ出てきています。
今後は、法人化くらいはするかもしれません。でも、あまり大きくするつもりはありません。活動の軸足は少しずつ変えていきたいとは思っています。もちろん、領域としてはITが主になることは、言うまでもありません。
Artisan Edgeという名前は、もともとcutting edge, motivation engineering, move your heartというサイトでも掲げている理念というか、キーフレーズから先に出てきて、そのイメージに通ずるものとして付けました。
だから、少なくともいまの仕事を続けていく上での私の信条のようなものです。なので、私が今後どういう身の振り方をしようと、ついてくる言葉なのではないかなぁと思います。言霊のようなもので。
そんなわけで、ブログは三度目なので大きなことは申しませんが、Artisan Edgeの活動にまつわる諸々を、書いて行きたいと思っています。
出来るだけ、末永くは続けたいと思っていますので、末永いおつきあいのほど、よろしくお願いします。
大阪湾に沈む夕日を浴びながら。
あの時も書店に行ったから、今日も書店に行ってみよう。