いま、産業能率大学の通信教育課程で経営を学ぶということ

私はいま、産業能率大学の通信教育課程で学んでいます。今後の入学を検討する皆さんのために、「私がなぜ学んでいるのか」、「なぜ産業能率大学なのか」といったことについて、書いておこうと思います。

専門学校卒なんです

中学校の時に登校拒否をしまして、別にいじめられてたとかではないのですが、毎日学校に通うというのが嫌で。理由といってもそれくらいしか思いつかないくらいなんですが、中学校は1年半くらいで終わり。一応、中学校は卒業させてもらえたのですが、高校受験すらしていません。バイトをしたりして、その給料でパソコン買って遊んでいました。そこでプログラミングの勉強をしたから、今の仕事に繋がるんですけどね。

大学入学資格検定(大検)を取って、専門学校に行ったわけです。基本的にコンピュータのことばかりやる学校なので、今度はちゃんと通って、卒業時には何か賞を貰いました。普通に就職して、上京もできたし。

そんなこんなで、社会人になって、エンジニアとして仕事をして、転職もしながら、ついに自分の会社を作ることに。資格を取ろうと思って経営や法律の勉強をしたことはあったのですが、今回は、ちゃんと経営の勉強をしないといけないと思いました。

自分の会社の経営もさることながら、学んだことを、お客様に提供するサービスの一つとしても取り込んでいきたい。業務システム開発の一環として、業務改善提案などのコンサルティング的な仕事はしていたので、ちゃんと理論づけしつつ幅を拡げていけば、一つのサービスとして提供できるのではないかと考えているのです。
そのためには、きちんと勉強できて、卒業という形になる学び方が良いと思い、大学に入ることにしました。

大学通信教育

大学通信教育は、正規の大学の課程です。卒業したら、ちゃんと学士号を貰えます。有名なのは放送大学かもしれません。慶応義塾大学や法政大学、日本大学といった著名な大学も通信教育課程を設置しています。

大学通信教育での学習方法は、大きく分けて2種類があります。1つは通信授業で、もっとも基本的なものです。自分で教科書を読んで、レポートを提出して、最後に試験を受けます。試験に合格すれば単位が貰えます。だいたい、2単位か4単位で、その辺はふつうの大学生(通学制)と同じだと思います。この単位を積み上げて、卒業に必要な単位を取れば、卒業できます。必要単位数もふつうと同じです。(同じ大学の同じ学士号ですから、当然ですね。)

もう1つは面接授業です。スクーリングとも呼ばれます。これは、通学制と同様に大学に通って授業を受けます。
通う日程は大学や科目によってバラバラですが、例えば金・土・日の3日間通って、1科目の学習を終えます。1コマの授業が90分で、1日に5コマ、3日間で15コマやるので、ふつうの大学生が受ける1科目の授業時間数と同じになります。最終日に試験があって、これに合格すると単位取得できます。卒業に必要な単位数の中には、面接授業で取得すべき単位数の設定があります。そのため、すべてを通信授業で済ませることはできません。テレビやネット動画等を使った放送授業で、面接授業の一部を代替させている大学もあります。

産業能率大学とは

Sanno

多くの大学に通信教育課程があるのですが、その中で群を抜いて学生数が多く、卒業率も高いのが、私の入学した産業能率大学です。私は、昨年4月に3年次編入学したので、今は4年生ということになります。

産業能率大学は、日本で初めて経営情報学部を設けた大学(当初は経営情報学部のみの単科大学)で、30年以上の歴史を持っています。併設されている自由が丘産能短期大学は60年以上という、さらに長い歴史があるようです。通学制では2学部3学科を持つ大学ですが、通信教育課程は情報マネジメント学部現代マネジメント学科のみで、その中に様々なコースが設けられています。(情報マネジメント学部の前身は経営情報学部。)大学のキャンパスは湘南(伊勢原)、自由が丘、代官山の3か所にあり、通信教育課程では自由が丘キャンパスを使っています。

また、学校法人産業能率大学には総合研究所が設けられており、企業向けのコンサルティングや研修を行っています。法人としては、こちらの事業収入の方が学生からの収入より多いという特異性があります。総合研究所で行っている研修の方が、社会人の方には有名かもしれません。また、毎年春に新聞やテレビを賑わす「新入社員の理想の上司」を調査・発表しているのも総合研究所です。湘南・自由が丘・代官山という立地、学生主体型の授業形態であるアクティブラーニング、大手企業や湘南ベルマーレ、横浜DeNAベイスターズとの連携といった産業能率大学の個性は、総合研究所が企業のコンサルティングを担い、マーケティング学科も持つ大学として、さすがと思わせます。

湘南キャンパスには日本有数のビーチバレーコートがあり、卒業生には日本の女子ビーチバレーでランキング1位の溝江明香選手がいます。

創立者は日本初の経営コンサルタント

学校法人としての産業能率大学の歴史は、1925年に設立された日本産業能率研究所にまで遡ることができます。その創立者が上野陽一先生。上野先生は、もともと心理学者なのですが(そのため産業能率大学には心理系のコースも充実している)、フレデリック・テイラーの科学的管理法を「能率学」として日本で初めて紹介したり、現在のライオン歯磨きの工場での研究、福助足袋や白木屋でのコンサルティングなどを行いました。そうした功績もあって、上野は日本で初めての経営コンサルタントといわれています。さらに、能率学に東洋哲学を組み合わせて「能率道」つまり「道」のレベルにまで高め、「能率5道」と「能率10訓」を提唱しています。

社会人が学びやすい大学

産業能率大学の通信教育課程を説明する上で欠かせないのは、社会人が学びやすい大学であるということです。

多くの大学通信教育と同様に入学試験がありませんから、書類の不備がなく、学費を払うことができれば、入学できます。学費は、通学制より圧倒的に安く、他の大学通信教育並みの年間18万円です。大学によってはスクーリングの受講料は別になっていることもありますが、産業能率大学は一部の例外を除いて年間18万円の中に含まれています。

大学通信教育は、入学は簡単でも卒業が難しいもの。産業能率大学では3年次編入学の学生が2年間で卒業する割合が60%を超えており、他と比べると圧倒的に高い卒業率といえます。これはレポートや試験の難易度もあるでしょうが、それ以上に試験の実施回数、スクーリングの多さが理由になっていると思います。

スクーリングを担当する講師の方がビジネス経験のある方が多いため、社会人が興味を持ちやすい題材で授業を進めてくれることが多いようです。社会人にとって、楽しく、役に立つ授業なのですね。また、私と同じように社会人の学生が多いので、スクーリングに参加すると様々なバックボーンを持つ方と知り合えるというのも、産業能率大学の良さと言えるでしょう。

大学院もあります

産業能率大学には大学院もあります。MBAのコースもあり、通信制ではありませんが、社会人が通いやすい授業スケジュールになっています。場所も自由が丘よりさらに通いやすい代官山です。大学通信教育課程の卒業生には、学内推薦制度が設けられています。私も来年すぐにかは分かりませんが、大学院への進学も考えており、今月末に行われる説明会には参加する予定です。

まとめ

ということで、産業能率大学を紹介しました。様々な事情があって、私のように大学に行っていない方が、これから大学で学ぼう、でも通学するほどの時間もお金もないというなら、オススメできる大学です。

既に大学を卒業していても、それが理系の大学で、あらためて経営を学ぶために入学された方も知っています。現役で大学に進むのと違い、相応の社会人経験を経て大学に入ると、また違った学びがあるのではないかと思います。特に、産業能率大学のように経営を教えるところであれば、それだけ日々の仕事に身近であり、興味も湧くし、学びも深くなるのではないでしょうか。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。