初級ウェブ解析士認定講座拡大版(ITC版)を受講してきました

先週土曜日(24日)に、初級ウェブ解析士認定講座拡大版(ITC版)の研修を受講しました。

ITC版という名前が示すとおり、ITコーディネータ協会との連携講座で、テキストもITコーディネータ向けにカスタマイズされたものになっていました。
ITコーディネータは資格認定を継続するために、「実践力ポイント」を毎年10ポイント取得する必要があります。この講座も受講するとポイントになるのですね。
もちろん、ポイントだけが目的というわけではなく、Webマーケティングについての知識を身につけたかったのがもっと重要な目的です。

いままで、Webサイトそのものを作ったり、自社や自分のWebサイトを運営したことはあるのですが、ちゃんとWebマーケティングを考えてやったことはなかったのです。いや、それなりに考えながらやってきたつもりですが、理論の裏付けがなかったというほうが正確かもしれません。
だから、今回身につけた知識をもとに、まずは自社や自分のWebサイトを改善し、理論を実践的なノウハウに昇華させることができれば、ITコーディネータとしての活動の幅も広がるなと思ったわけです。

なにがコンバージョンか?

ウェブ解析の要になる数字は、コンバージョン率だと思います。
Webサイトに訪れてもらった人のうち、どれだけの割合でWebサイトの目的まで到達してもらったかです。
ショッピングサイトなら購入に至った割合、コンサルタントのサイトなら問い合わせに至った割合といったところでしょうか。

Webサイトをビジネスに取り込む上で、最も重要な数字です。
そのWebサイトにとってのコンバージョンが明確に定義されているということは、(そのWebサイトを含めた)ビジネスモデルがきちんと定義されているということになります。

ただ、一方でコンバージョンってそんなに簡単なものなのかな?という風にも思います。
ショッピングサイトといっても、最近はオンラインだけで完結するものではなく、オンラインで商品や価格を見て、実店舗(オフライン)で買うということもあるでしょう。(もちろん、その逆もあります。いわゆるO2Oです。)
だとすると、単純に「購入」をコンバージョンとして良いのかという疑問が生まれます。Webサイトを見て、実店舗に訪れ、実店舗で購入してもらったのなら、その中のどこかの時点をコンバージョンと捉えても良いはずです。

ウェブ解析士の研修の中で、解析対象はWebの中だけに留まらないという話があったのは、こういうことかなと思います。

IT経営とウェブ解析士

こうしたビジネスモデルの立案において力を発揮できるのは、IT経営を理解したITコーディネータです。(他にもそういう力を発揮できる人材はいるのですが、ITコーディネータもその中の1つだぞ!ということで。)

ウェブ解析士のテキストでは、(初級だからかもしれませんが)ビジネスモデルの立案に関する記述は手薄な印象を受けました。
一方で、ITコーディネータ・プロセスガイドラインはビジネスモデルの立案がかなりの割合を占めており、その具体化については専門家やベンダーの協力を仰ぐという記述です。(だからコーディネータなのです。)

ITコーディネータとウェブ解析士は、かなりの補完関係があるということですね。

私自身としては、ITコーディネータとしての専門性をどこに置くのか、まだ模索中です(正直に言うと)。
ITエンジニアとしての長年の経験はあるのですが、それをITコーディネータとしてどう活かしていくのかが、まだ見えていません。(内製化の支援は、導き出した一つの解ではあるのですが、それが本当に響くものなのか。。。)

その点、ウェブ解析士のやるWebマーケティングは、響くものであろうと思うのです。やはり、中小企業の課題の中で営業力の不足は大きい。その点をWebでうまく補完する提案はできるはず。
だから、Webマーケティングについては、他の専門家任せではなく、自分の中に取り込みたいと考えています。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。