日本でもKindle書籍の読み放題サービスであるKindle Unlimitedが今日から始まりました。
月額980円で12万冊以上が読み放題。しかも初回は30日間無料体験可能ということで、まずは試してみるのが良いと思います。
使い方はKindle書籍を買う場合と同じ
Kindle Unlimitedを使うからといって、特別なアプリをインストールしたり、既存のKindleアプリをアップデートしたりする必要はありません。
AmazonでWordPressのKindle書籍を探してみました。1番目にでてきた「一歩先にいくWordPressのカスタマイズがわかる本」は読み放題にはなっていないようです。おそらく2016年4月に出たばかりなので対象になっていないのだと思います。出版時期以外にも、出版社がKindle Unlimitedに参加していない場合も、読み放題対象外になります。
2番目の「いちばんやさしいWordPressの教本」は、かなり売れた書籍だと思いますが、2014年12月と比較的古くなっていることもあってか、読み放題の対象になっています。その場合、「1-Clickで今すぐ買う」ではなく、「Kindle Unlimitedで読む」というボタンです。これをクリックすれば、購入した場合と同じようにKindleアプリ等で読めるようになります。
いままでは、読みたい本を探すときに「Kindle版があるか否か」で絞り込んでいましたが、これからは「Kindle Unlimitedで読めるか」という絞り込みも増えそうです。Amazonで本を買う場合の優先順位はこんな感じに・・・。
- Kindle Unlimitedで読めるか
- Kindle版があるか
- 紙の書籍を中古本で安く買えるか
- 紙の書籍を新品で買う
大量のKindle書籍を扱いやすくするアプリを希望したい!
いま調べてみたら、私はKindleで400冊以上の本を買っているようです。Kindleの登場によって本を買いたいと思ってから、買って読み始めるまでの障壁が思いっきり低くなりました。さらに、時折開催されるセールで半額以下でまとめ買いすることも多数です。
その上、Kindle Unlimitedで980円定額で読み放題となると、今まで以上に障壁が低くなります。というか、読み放題対象の本については障壁がなくなってしまいます。リアルの書店での立ち読み感覚で本を1冊読んでしまうということにもなるでしょう。
そうすると、気になるのはKindleアプリの出来です。自分でコレクションを作って整理することはできるとはいえ、基本的にはタイトル順か新しい順に並べる程度のことしかできないアプリの書棚機能では不十分です。シリーズやジャンルで自動的に整理されたり、AIを使ってよく読む本を見えやすい場所に配置するといったアプリの改善があって然るべきではないかと思います。
あと、iOS版のKindleアプリではApple側の制約もあって、アプリ内で本を買うことができません。いちいち、Webブラウザを開いて本を買って、Kindleアプリに戻ってくるのはやはり面倒。これも、どうにかして欲しいところではあります。
でも、980円で大丈夫なのだろうか・・・
この間、出版社の方とお話をしたのですが、紙の書籍を出している出版社にとって電子書籍というのはやはり悩みの種なのだそうです。たしかに、電子書籍では紙に印刷して運送するというコストは削減できます。しかし、出版社からするとそれはコストのほんの一部にすぎず、それよりも企画、校正やデザインといった人手のかかる作業の方にコストがかかるとのこと。そうした人手のコストは、電子書籍だからといった削減できるわけではなく、そのわりにAmazonの取り分があるため、出版社への実入りが減ってしまうというわけです。
もちろん、電子書籍にすることによって私のように本を買う障壁が低くなり、売れ行きが伸びるというメリットもあるでしょう。しかし、それがどこまで実入りの減少を補填するかは微妙なところです。
その上に、定額制というわけです。980円といったら、紙の本1冊分にも届くかどうかという金額です。
そうしたこともあって、Kindle Unlimitedには参加していない出版社もあります。
読む側としてはどんどんKindle Unlimitedに参加する出版社が増えて、読める本も増えて・・・という流れに進んで欲しいところですが、最近は書く側にも回り始めている私としては、痛し痒しな話でもあります。