AIは使ってみないと分からない

ITコーディネータを中心に「第4次産業革命の担い手育成プロジェクト」が発足して、1回目の具体的な活動となる勉強会を昨日、開催しました。

最近、岩崎学園情報科学専門学校様で開催したセミナーや、私が長く講師を務めているTECH GARDEN SCHOOLでもIBM Watsonを実際に触って、体感してみる、という講座を開催しています。

昨日も、それと同様の講座となりましたが、さすがにITコーディネータのみなさんは、ITや経営に関する経験をいろいろとお持ちです。体験の後に行う議論の方向が企業経営に向いていきます。特に、AIを使ったシステムの開発が、今までのITシステムの開発とは勝手が違うと、体感としてご理解いただけたことは良かったと思います。

AIを体験すればAIが自分ごとになる

AIの体験というと、せめてPythonは・・・、できればTensorFlowも・・・と、より技術的な内容に走りがちです。それはそれで重要で、私自身もそうした学習を深めているところですし、講演の中でもAnacondaでも入れて、Pythonに触れてみましょうという話もしています。そもそもWatsonのようなクラウドAIではできないこともあります。

でも、そこまでは・・・と壁に感じる人が多いのも事実です。
これまでのセミナー等で感じたことは、WatsonでNLC(Natural Language Classifier)のデモをやるだけでも、意味があるということ。ちゃんと自分でデータを作って、自分だけの学習モデルを作って・・・と、機械学習の一連の体験になるので、AIが「自分ごと」になるのです。

ニュースや本などを見るだけの耳学問、目学問では「AIは万能だ!」と思ったり、逆に「そんなこといっても、どうせAIは実用にはならない」とたかをくくったり、はたまたシンギュラリティだ!人間が滅びる!!と恐怖におののいたり・・・ということになってしまいます。

それが、ちょっと体験するだけで、「AIって凄いけど、AIだけで何でもできるわけではない」と感じてもらえるのです。それで、やっと「ではAIをどうやって産業に適用しようか」という、冷静な議論ができるのではないでしょうか。

そうした体験をできる研修などの企画が進んでいます。公開できるようになったら、またお知らせさせていただきます。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。