書斎(ホームオフィス)を作るときに読みたい本を紹介します

新型コロナの影響もあって、リモートオフィスで仕事をすることが注目されています。そもそも働き方改革も謳われていたのでコロナが終息した後にもこの働き方が一般化すると良いなと思っています。

もちろん、リモートでの働き方だけが良いのではなく、同じ場所に集まって働くことのメリットは多いし、そもそもリモートで働くということが物理的に不可能な仕事もあります。ただ、どのように働くかということに多様性が出てくるのは基本的に良いことだろうと思うわけです。

私は独立して8年くらいになります。独立した最初の頃はお客様先に常駐するスタイルでした。それが、徐々に変わってきて、仕事を持って帰ってくるとか、そもそも仕事をする場所は自分で準備しないといけないようになってきました。そこで必要なのは、何らかのオフィス、仕事場が必要なわけです。

私の場合、自分の会社はあっても常勤でやっているのは私1人だけなので、1人が働ける場所があれば良い程度です。とすると、まずは書斎を作ろうということになります。(以前、自宅以外に小さなレンタルオフィスを借りたことはありますが…。)

最初の写真はいま住んでいる横浜の自宅につくった書斎です。リモートでも落ち着いて仕事をするためには、外付けディスプレイがあるというのはとても大切だと思います。自宅以外のサードプレイスでも仕事をしようとするとパソコンを持ち歩く必要があるので、必然的にノートパソコンになりますが、ノートパソコンの画面はだいたい12~13インチくらい、大きめでもせいぜい16インチなので、そこで開けるソフトウェアのウィンドウは1~2つがせいぜい。外付けディスプレイがあれば、あるだけ開けるウィンドウが倍、倍になっていきます。

それはさておき、書斎を作るうえで参考になる本をご紹介しようと思います。参考になるというか、書斎を作る前に自分なりの哲学を持っておきたい。その時に道しるべになってくれる本という感じですかね。

書斎づくり本の古典「知的生活の方法」

まずはこちら。初版は1976年と40年以上前なので、いま読んで具体的に役立つ何か、というのは期待しない方が良いでしょう。ただ、書斎を作って、そこで活動するということは、どういうことなのか。そういう活動を志したときに、私たちは何を考え、どう生きるべきなのか。そんな風に根本的なところを考え直すきっかけを作ってくれます。

この本は、実は子供の頃に古本屋で100円で買って、何度となく読んだ本です。いま、ホームオフィスだ、書斎だという文章を書き、そこで仕事をして生活をしているというのは、この本を読んでいたからかもしれません。私のものの考え方のいくらかは、この本でできているといっても過言ではない!のです。

「自由な仕事と稼げるパソコン」←いまの私を示している?

次はこちら。1996年に出た本で、著者の船田巧さんはペンネーム船田戦闘機として、アスキー系の雑誌や書籍で大活躍された方です。(当時のアスキーのノリを体現していたのがスタパ斎藤と船田戦闘機のお二方だと思う。)

なんだか、いまの私のことかいな?と思わせる「自由な仕事と稼げるパソコン」というタイトル。アスキーを退職した船田さんが、これからどうしていこうかと思った時にパソコンをまず買った話やら、当時からリモートワークをされていた先駆者へのインタビューなど。リモートワークの環境をつくるためのノウハウ(パソコンの選び方やネットワーク構築など)も書いてありますが、さすがに今は参考になりません。でも、なんか全体的に楽しそうな、リモートワークいいな!という感じで書いてあるので、読んでいて、リモートワーク楽しいな!という気分にさせてくれます。

書斎は楽しい!「スーパー書斎の遊戯術」

これもまた古い本で。当時、週刊誌に掲載されていたコラムをまとめて、1998年に出た本。NHKの夜の番組なんかもやっていた山根一眞さんが、とにかく書斎で楽しんでいるコラムがいっぱい。先ほどの船田巧さんの本よりも、もっと楽しい気持ちにさせてくれます。

この本は、子供の頃に近くの図書館で借りて読んだ。返却期限になったら、延長して読んだ。しばらくして、また借りて、また読んだ。それくらい読み込んだのですが、そんなことだから、書斎たるものに憧れて、書斎で遊んじゃうんだよね…。

まずはこの1冊で良し「あたらしい書斎」

なんだかんだと古い本ばかり紹介してしまったのですが、最後は最近の本も1冊。でも、ここまでに紹介した古い本3冊で感じた書斎楽しい!感を、久々に思い出させてくれたのがこの「あたらしい書斎」です。

新しいと言いながらも2012年の本だったりするのですが、十分にパソコンとインターネットが普及した後に書かれたものなので、いま読んでも参考になります。というか、参考になるところばかりです。

「みたいもん」というブログで有名ないしたにまさきさんの著書なので、リアルの書斎だけでなく、ネット上での書斎についても書いてあります。

というわけで、リモートオフィスを作るとは、まずホームオフィスを作ることである。ホームオフィスとは楽しい書斎のことである。もう一つ、サードプレイス的リモートオフィスもあるのですが、それはまた別の機会に。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。