IBM WatsonのNatural Language Classifier(NLC)のサービス終了が発表されました。
タイムスケジュールは下記のとおりです。
2021年9月9日~ 新規のNLCインスタンスの作成が不可に
2021年8月8日 既存のNLCインスタンスが使用不可に
NLCとは
NLCはWatsonがIBM Cloud(当時のBluemix)上で使用できるようになった当初から存在する古参のサービスで、自然言語(Natural Language)の文章を分類(Classify)するモデル(分類器:Classifier)を作成することができます。
このようなNLCの画面からトレーニングデータを入力するか、テキストファイルをAPI経由でアップロードすることで、モデルを作成することができます。
トレーニング済みモデルに対して、何らかの文章を与えると、トレーニング時に指定したラベルを用いて分類されます。
NLCの用途
NLCはチャットボットを作成する際に、ユーザーの発言意図を理解するために使用することができます。
例えば、「こんにちは」という発言を「挨拶」というラベルに分類(認識)し、それに対して「お元気そうですね」のような返答をするとチャットボットが成立します。
ただ、このような用途は、現在ではWatson AssistantのIntent機能を使うことで実現できます。そのため、チャットボットの開発にWatson Assistantを用いるならば、NLCは不要です。
また、自然言語で出力されるエラーメッセージをNLCで認識して、何らかの対応を自動で行うといった用途もありました。
これからはNLUを使おう
IBMの見解としては、今後はNatural Language Understanding(NLU)を使うことを提案しています。
NLUは自然言語を理解するためのサービスで、事前のトレーニングは不要で自然言語の文章からキーワードや評判などを抽出することができます。
NLUはカスタムラベルでの分類ができないため、その点でNLCとの棲み分けがあったのですが、最近からNLUでもトレーニングを行うことが可能になったため、代替できるということのようです。
NLUのトレーニングについてはまだ試していないので、試してみたらこちらに記事を書こうと思います。
(2021/8/11 追記)書きました!
(2021/8/24 追記)IBMからのアナウンスについて
この記事を書いた時点では、IBM Cloudユーザに送られるメールくらいしか公式のアナウンスがなかったのですが、SDKのGitHubに下記の記述が追加されていました。
Natural Language Classifier deprecation
On 9 August 2021, IBM announced the deprecation of the Natural Language Classifier service. The service will no longer be available from 8 August 2022. As of 9 September 2021, you will not be able to create new instances. Existing instances will be supported until 8 August 2022. Any instance that still exists on that date will be deleted.As an alternative, we encourage you to consider migrating to the Natural Language Understanding service on IBM Cloud that uses deep learning to extract data and insights from text such as keywords, categories, sentiment, emotion, and syntax, along with advanced multi-label text classification capabilities, to provide even richer insights for your business or industry. For more information, see Migrating to Natural Language Understanding.