43歳の誕生日の散文

今日で、43歳になりました。
子供の頃になんとなく認識していた親父の年齢が42歳だったので、それを通り越したわけです。変な話ですが、親父が42歳の時に自分は小学校の5年生か6年生だったわけで、その頃、初めて親父の年齢というものを、意識したのかもしれません。

もうすっかり、大人というかオジサンの域に入りつつありますね。最近、北九州でプログラミングを教えている若者がいて、習得してきたら自分の仕事を少し手伝ってもらえるかも…と思っていたりするのですが、その若者の倍以上の歳だったりするわけです。歳をとるのは早いものです。

7月には独立して丸10年が経ちます。その次の年に法人化(アルティザンエッジ合同会社、後の合同会社井上研一事務所)して、途中で株式会社ビビンコを作って株主が4人、取締役が3人いる会社になったりもしたのですが、北九州にUターンしてくるのを機にまた1人になったので、この10年ほとんどを、1人会社的なものでやってきたことになります。

数年前に、別の若者に「井上さんみたいな仕事がしたい」と言われたことがありました。その心は1人で自由に仕事をしているということでした。
まぁ、それなりに大変なこともあるし、独立する前にサラリーマンを何年もやっていて、その経験がある故にやれていることなのだ、という話をしたと思います。

いまさらですが、ダニエル・ピンクの「フリーエージェント社会の到来」という本を読みました。フリーエージェントのバイブルみたいな本で、もしかしたら、私の仕事のやり方に憧れていた若者はこれを読んだのではないか?と、思いました。
この10年間の私は、ほとんど、この本にあるフリーエージェントもしくはミニ起業家でした。それを求めてやってきた気がするし、快適にも感じています。

アルティザンエッジを立ち上げた時に、こんなことを書いています。私のブログには独立以来の記事をまとめているので、すぐに読み返すことができます。

人との緩やかな繋がりで成立していくと思われるこれからの社会の中で、一つの結節点としての役目を果たしたいということです。
インターネットが世界中を繋ぎ、ソーシャルネットワークがネットとリアルの垣根をなくそうとしているこれからの社会では、いわゆる大企業よりも圧倒的に小さく、個人よりは少し大きな存在が、社会を動かす原動力になると思います。
Artisan Edgeは、ITという分野で、その存在の一つになりたいと思うのです。

最近はインプット活動に力を入れているので(ここ数年、アウトプットしないといけないことが先にあって、付け焼き刃的にインプットすることばかりな気がして反省しているのです)、いろいろ本を読みます。
内村鑑三の講演をベースに佐藤優が解説した「人生、何を成したかよりどう生きるか」もその一つです。

内村鑑三によれば、人はお金、事業、本を書く、教育のいずれかを残すと良いのだそうです。せっかく、この世界に生まれてきて、あと何年か、何十年か生きると思うのですが、死ぬ時には少しでもこの世界が良くなることを残してから死にたい。その残せるものが、先に挙げた4つということです。(さらに、そのどれも難しいという人は、勇ましくて高尚な人の一生を残しなさいと続く。)

私の場合、お金はどうか分かりませんが、北九州のためなら、できる範囲ですが何かお金を使いたいと思っていて、昨年は小倉城の竹あかりというイベントに少し協賛させていただきました。今年も何か、と思っています。

事業は、たしかにやっているわけですが、誰かに引き継いでもらうような会社ではありません。ただ、これからの時代は、会社よりはプロジェクトという時代かもしれません。今の仕事のやり方(フリーエージェント、ミニ起業家)こそが、これからの時代、さらに大きなことを成し遂げるピースになるのではないかと思います。それが、私の創業の思いだったのだし、それができるということを照明することが私にできる最大のことかもしれない、と思っています。

本を書くことは、たしかに書籍を何冊か出したのですが、後世に残すようなものではないので、いずれはそういうものを書きたいとは思っています。

最後に教育は、今も取り組んでいるし、これからも続けるつもりです。人を残すということにも時間を使う世代になってきたと感じています。

そんなわけで、誕生日に取り留めのない散文になってしまいましたが、この1年は、いまの仕事のやり方を続けつつ、より成果を残せる事柄に注力して、今後の人生で何かを残していく第一歩を築いていきたいと思います。よろしくお願い致します。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。