Gen2GoのAIアプリ機能とDXPO大阪’25

最近のGen2Goの動向をざっくばらんに書いてみようかと思います。

最大のトピックは「AIアプリ」機能ができたことです。あるお客様から、対話型で文書(報告書)を作ることを生成AIでできないか?とご相談をいただき、それはプロンプトを上手く作ればできるだろうと思ったのですが、困ったのはそれをどこで使うか?ということだったのです。

フリーのAIチャットなら、ナレッジチャット機能があります。Gen2Goでよく使っていただいている業務システムやアプリへの組み込みは、APIで呼んでいただければ結構です。

ただ、今回の報告書作成のようなケースでは、AIとの対話が必要なのでナレッジチャット機能が良いのですが、あまり自由すぎるのも良くないかと。さらに、報告書に絶対入れたい項目(事象の発生日とか、報告書の宛先とか)があって、それをいちいちチャットで入力するのもどうかなと。

そんなことを考えてできたのが、AIアプリ機能です。

Gen2GoのAIアプリ機能とは

AIアプリの画面はこのようなものです。画面の中央(サイドメニューを除くと左側)にある起動パラメータは、必須の項目を入力する箇所です。このフォームは、プロンプトのシステムメッセージ部分に 会社名: {company_name:会社名} のように書くと、自動的に表示されます。

このフォームに入力した内容は、システムメッセージに入るので、AIとの会話が始まるときには既に知っている情報ということになります。そのため、最終成果物の文書に出力する必要があったとしても、それを会話の中で再度聞かれることはありません。

フォームへの入力後、起動ボタンをクリックすると画面右側にナレッジチャットが表示されます。あとは、通常どおりにAIと会話して、最終成果物の文書までたどり着きます。

ちなみに、上図の例は、AI事業者ガイドラインに基づく企業のガバナンス・ガイドラインを作成するもので、4~5回程度の会話のやり取りを行うと、下記のような文書が生成されます。(これはあくまで生成例で、弊社の実際のガイドラインではありません。)

AIガバナンスガイドライン
株式会社ビビンコ 2025年3月10日

  1. AIガバナンス・ゴール
    株式会社ビビンコは、生成AIを利活用するためのクラウドサービスを提供するAI提供者として、データのプライバシー保護とセキュリティ対策を最重要課題として取り組むことを目指します。当社のサービスが企業システムに安全かつ効果的に統合されることで、顧客の価値向上を支援します。
  2. 運用体制の構築
    当社はAIガバナンス体制を以下のように構築します。 – 外部の専門家やコンサルタントを活用し、最新の知見と実践に基づくガバナンス体制を整備します。 – 専門家の助言を受けながら、データ保護やセキュリティに関するポリシーと手順を策定し、適切な運用を確保します。 – 社内外の関係者と連携し、透明性のある運用を実現します。
  3. 継続的な改善
    当社は以下の取り組みを通じて、AIガバナンスの継続的な改善を図ります。 – 定期的な内部レビューや監査を実施し、運用状況を評価します。 – 外部機関による第三者評価を受けることで、客観的な視点からガバナンス体制の適切性を確認します。 – 改善点が見つかった場合は、速やかにポリシーや運用手順をアップデートし、実施します。
  4. おわりに
    株式会社ビビンコは、AI技術の提供者として社会的責任を果たし、顧客や利用者に安心・安全なサービスを提供することを目指します。本ガイドラインは、日々の業務において遵守されることを約束します。

選択肢の自動表示

AIとの会話は通常のチャットと同じくテキストベースでやっていく(シンプルモード)のですが、さらに機能を増やしてAIが自動的に選択肢を表示するモード(標準モード)を作りました。

こうした選択肢も、自動的に生成AIが作ってくれます。(「標準モード」を使えば、Gen2Go側で生成AIに指示を行うので、プロンプト作成時に選択肢の生成などを指示する必要はありません。)

選択肢が表示されないときも、「選択肢を表示して」と会話すれば、いろいろ考えて選択肢を出してくれます。あらためて、生成AIって凄いですね。

AIアプリの作り方

こうしたAIアプリを作成する際のシステムメッセージ例は、Gen2Goのマニュアルサイトで公開しています。

3月13~14日はインテックス大阪

私はこれから大阪に向かいます。阪九フェリーで明日の朝、神戸に着いて、夕方にインテックス大阪に入って出展準備。明後日(3月13日)から2日間、「DXPO大阪’25」にGen2Goを出展します!

このAIアプリ機能のご紹介のほか、Gen2Goとデジタルヒューマンの連携についても展示する予定です。

ぜひ、インテックス大阪へお越しください!

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AIに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」を開発し、北九州発!新商品創出事業の認定を受ける。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。