弊社(株式会社ビビンコ)で開発していた生成AI利活用クラウドサービス「Gen2Go」を今日から、一般公開しました。
5月1日からファーストユーザーになっていただいた企業様向けに公開し、既にご活用いただいているのですが、ついに一般公開です。Gen2Goの画面からアカウント作成してお使いいただけます。
まずは無料アカウントを作成して、使ってみてください!無料のトライアルプランではすべての機能が使用できるわけではないのですが、Gen2Goの根幹であるプロンプトの共通化とAPIでのシステム組み込みは使用することができます。独自の文書を登録して文章生成に使用するRAGや、サンプル文例を使用したFew-shot Learningは使用できます。
Gen2Goをなぜ開発したか
弊社では昨年から、いくつかの生成AIを活用したシステム開発を行ってきました。LangChainを使ってGPT-4などを呼び出し、文章生成して、その結果を業務システム等に組み込むというものですが、その際に気づいたことがありました。
プロンプト作成は大変で、かなり長いプロンプトになる
生成される文章にこだわるほど、プロンプト作成を試行錯誤が必要になります。リリース前までに何度もお客様と弊社でやり取りが必要ですし、リリース後も手直しが生じることが多いのです。最初、弊社の開発したシステムではプロンプトはアプリのソースにハードコードしていたので、手直しがある度にソースをいじって再デプロイということをしていました。それはあまり良いことではないので、プロンプトは外出し・・・ということになるのですが、だとすれば、プロンプトを管理できるシステムが別にあれば、誰でも手直しできるようになるのでは・・・と思いました。
また、プロンプトは結構長いものになりがちで、しっかり管理できる仕組みが必要です。(Gen2Goにはリリース時点でプロンプトのバージョン管理機能がありませんが、今後の開発タスクとして認識しています。)
RAGやFew-shot Learningなどの開発が必要になることが多い
固有の情報を活用した文章生成ではRAGは必須です。ChatGPTは便利ですが、そのままでは一般的な回答しか生成できないので、意外と実用にならないことがあります。GPTsを使えば良いということになるのですが、それよりも簡単に文章をアップロードしてRAGとして活用でき、かつチャット以外の方法でも使える仕組みがあれば、生成AIの業務活用が進むと考えました。
ある程度決まった(だけど状況に応じた)文章を生成したいというニーズもありました。そこで、Few-shot Learningというテクニックを使いたいのですが、ケースに合わせて使うサンプル文例を変えたいといった要件もあると、プログラム開発が必要になります。これも気軽に使えるようにしたいところです。
そうした生成のいろいろなテクニック(プロンプトエンジニアリング)はいろいろあるのですが、Gen2Goでは今後もサポートするテクニックを増やしていきたい、かつできるだけ簡単に使えるようにしたいと考えています。
業務システムの開発をしている人が、生成AIまで手を広げるのは大変
生成AIは最終的に業務システムに組み込まれることが重要と考えています。Copilotなどが普及すると、生成AIが普段使っているアプリの中に自然に溶け込み、ユーザーは無意識に生成AIを使うようになるでしょう。そうなったとき、なぜ自社の業務システムには生成AIが組み込まれていないのか?と感じるユーザーが増えてくると思います。
アドホックなユースケースではチャットのような形式が向いていますが、定型的な用途(だけど普通のプログラミングで対応できるような内容ではない)では生成AIが業務システムに組み込まれていないといけません。
ただ、業務システムの開発に携わっているエンジニアが、生成AIまで手を広げるのは大変です。そんなとき、Gen2Goがあれば気軽に生成AI部分を作り、簡単に業務システムに組み込むことができます。(Gen2Goは代理店の募集も行いますので、ビジネス的にもご検討ください!)
Gen2Goのこれから
そんなときに、ぜひGen2Goをご活用いただければ・・・と思って開発した/しているのですが、それが企業の業務効率化、生産性向上(売上向上につながるような使い方もあると思います)につながらないと意味はありません。
しかし、特に中小企業や小規模事業者の皆さんで生成AIに積極的に取り組んでいこう!と思われている方は、まだまだ少ないのではないかと思います。まずは、生成AIの便利さ、パワフルさに気づいていただくことがいちばんで、ITコーディネータの私としては、そうした活動をしていきたいと思っています。
その上で、できるだけ手軽に安価で使えるのがGen2Goであるべきです。生成AIの技術はどんどん進んでいくでしょうから、スピーディに技術進歩に対応していく、先端の技術を実際の価値に変換していく作業は必要です。ただ、ITはやはり道具でしかありません。技術だけに走ることはなく、本当に役立つ、簡単に使えるツールに育てていきたいと考えています。
皆さんの様々なご協力をいただきながら、一歩一歩、進めていこうと思っていますので、何卒よろしくお願い致します。