少し日が経ってしまいましたが、ジャスミンソフト様を訪問してソースコード自動生成ツール「Wagby」のデモを見せてもらいました。社長自ら対応いただき(というかもともと沖縄の会社で、東京には社長しか来ないそうです)、その後、ディスカッションさせていただきました。
内製化の支援
内製化の切り札としてのノンコーディングツール
最近、このブログでも内製化の支援というサービスのあり方について書いています。
そこで切り札を握っているのが、ノンコーディングツールの出来です。考えているのは中小企業の業務効率化と競争力向上のためのITなので、内製化といってもエンジニアを雇ったりするのは難しいという前提があります。だから、どのような業務プロセスをつくり、そのためにどういうシステムが必要になるかは考えるとしても(それは経営活動そのものですから、省略するわけにはいきません)、それをITに落とし込むところは、極力省力化したいのです。
PaaSばかり見ていた
いままで、ノンコーディングツールとして、KintoneやForce.comといったPaaSツールばかりを見ていきました。特にKintoneは料金が安いし、見た目もユーザフレンドリーだしということで注目しているのですが、機能的に本当にこれで業務システムが作れるのだろうかという不安がつきまといました。
一方で、Force.comは業務システムを作れるであろうという機能的な安心感はあるのですが、ほとんどプログラムが必要になるし、料金的にも中小企業が出せる上限を超えているような気がするのです。
そんなわけで、帯に短したすきに長し。まだまだノンコーディングを実現するには時を待つ必要があるのかと考えていました。
Wagby
Wagbyはコード自動生成ツール
Wagbyは、上記のようなPaaSではありません。定義した設計情報からコードを自動生成するツールです。だから見落としていたのです。コード自動生成というジャンルはかなり以前からあるもので、正直言えば、あまり良い印象を抱いていませんでした。本当に、出来るのかとか、自動生成といっても単なるスケルトンレベルに過ぎないのではないかとか。
Wagby公式サイト http://wagby.com/
ただ、昨日見せていただいたWagbyは、これは凄いと思わせるだけの機能を持っていました。
特に何が凄いと思ったか、箇条書きしておきます。(詳細は、試してみてからまた書くことにします。)
- 入力チェックや入力支援の選択肢が半端なく多い
- 条件分岐等の処理はExcel風の関数で表現できる
- サーバサイドJavaScriptを設計情報の中で定義すれば、複雑な処理も実行できる
- 1つの設計情報から、PC用とスマホ用の画面が自動生成される
- 自動的にREST APIも生成される
高いポテンシャルとPaaSに対抗できるコスト
Wagbyは既に200社以上の導入実績があり、中には400画面もの業務システムを作っている企業もあるとのことでした。Wagbyの持っている機能や、見せていただいたデモで判断する限り、それだけのポテンシャルを持つツールであると思います。
Wagbyの料金体系は何種類か準備されているのですが、ミニマムコストで導入できるのは「プロジェクトライセンス月額プラン」。1プロジェクトあたり月額13,800円(プロジェクト内の画面数制限等はない)で、それにログインユーザ数×500円がプラスされます。例えば従業員が10人の企業であれば、月額18,800円になるというわけです。
この料金であれば、スタンダードコースで月額1,500円/ユーザのKintoneでも10ユーザなら15,000円になりますから十分対抗できますし、Force.com(ミニマムのプランでも月額3,000円/ユーザ)と比べると圧倒的なコスト差になります。
但し、WagbyはPaaSではないので、別途サーバを準備する必要があります。TomcatとMySQLが必要なのでレンタルサーバというわけにはいきませんが、さくらのVPS等であれば十分稼働させることができます。運用コスト(セキュリティ対策やバックアップ等)をどうするかという検討は必要ですが、サーバ代だけなら月額980円程度を見込めば良いわけです。最近は、Amazon Web Serviceを使うことも多いとのことです。