2016年から何冊かWatson本を書いたこともあって、Watsonについて何か教えるというお仕事をいくつか継続的にやっています。
その際に受講生の方にお願いしているのがIBM Cloudのアカウント登録です。WatsonはIBM Cloudの中で提供されているサービスのため、まずはそのアカウントがないと始まらないのですね。
今まで、IBM Cloudのアカウント作成では「ライトアカウント」の作成をお願いしてきました。
すっかり古い話になりますが、2017年に日経新聞に「Watson無料化」という記事が大きく出て騒ぎになったのですが、その実はライトアカウントであったという話がありました。
ライトアカウントというのは、クレジットカードを登録しなくても作成できるIBM Cloudのアカウントのことで、IBM Cloud内で提供されているサービスのうち、ライトプランがあるものであれば、すべて無料で使用できるというものでした。
Watsonで提供されている多くのサービスにはライトプランがあり、一定の無料枠の範囲であれば特に有効期限はなく使用することができたので、Watsonを学ぶにはうってつけのアカウントタイプだったわけです。
ちなみに、ライトアカウントの状態でクレジットカードを登録すると、PAYG(従量課金)アカウントに昇格し、ライトプラン以外の(つまり有料の)プランも選択できるようになります。
ライトプランを超えてサービスを使用したい場合や、そもそもライトプランが提供されていないサービスを使いたい場合はPAYGアカウントにする必要がありました。
ライトアカウントがなくなった
11月1日にIBMの公式ブログで、IBM Cloudのアカウント登録にクレジットカードが必須になった旨が投稿されました。10月25日から順次、変更が入ったとのことです。
クレジットカード登録が必須になった理由はセキュリティのための本人確認とのことです。別に無料枠をなくしたい、すぐに課金したいというわけではないようです。
クレジットカードを登録するので、アカウントタイプとしてはすぐにPAYGになります。ライトアカウントがなくなったわけですね。
ただ、PAYGアカウントであっても、今までと変わらず各サービスにライトプランは存在していますので、それを選べば無料で使い続けることはできるわけです。
ただ、有料のプランを選ぶこともできるようになるので、その点は注意が必要ですね。
いずれにせよ、ライトアカウントがなくなったからといって、無料で使えなくなったというわけではありません。
クレジットカード登録なしで使えないのか
ただ、研修等で使用する場合にクレジットカードの登録が必須というのは困ることがあります。みんながみんなクレジットカードを持っているというわけでもありませんし、特に学生さんは持っていないケースが多いでしょう。また、持っていても登録したくないという人もいます。
先に挙げたIBM公式ブログを見ると、研修(ワークショップ)主催者がエンタープライズ・アカウントを作って、研修参加者を招待するというこができるようになるとのこと。その場合、参加者はクレジットカード登録が不要であり、主催者としても使用できるプランをライトプランのみに限定することができるので、費用が発生することもないということのようです。
今後は、エンタープライズ・アカウントについても調査し、導入を検討していきたいと思います。