「読ませるブログ 心をつかむ文章術」

樋口裕一さんの「読ませるブログ 心をつかむ文章術」を読みました。
私はブログを書き始めて6年目で、3000本近い記事を書いてきたのですが、「読ませるブログ」を書くというのは難しいものです。本書で何かヒントが掴めれば・・・と思って、手に取りました。

私がこの本をお薦めするとしたら、ブログを書くことに興味はあるけど、まだ始めていないという人です。特に中高年の人生経験を豊富にお持ちの方に読んでいただきたいと思います。

本書の前半で、ブログを書くことのメリットが樋口さんの体験談を交えて紹介されています。ブログを書き終えて「今日という日がまとまった」と感じたという話があるのですが、これは私もよく感じることで、私の場合だったら、コンサートやセミナーを見終わった後に、レビューを書いて、はじめて終わったと思うのです。この記事もそうです。本を読み終えたから、書く。書かないと、読み終えたような気がしないのです。
そうやって、まとめた文章を書いておくと、1年後、3年後に読み返したときに、いろいろ感じることがあるものです。自分の書いた記事というのは、少なくとも数年後の自分にとっては大切な資産になるのです。

ただ、ブログは自分のためだけに書くのではないということも、しっかり書いてあります。他者に読まれることを意識しなければ、絶対に「読ませるブログ」にはなりません。他人が読んでおもしろい文章にするための条件として、下記の3つが挙げられています。

読み手が知らない情報が含まれている
読み手にはない体験が含まれている
誰もが知っている有名人が書いている

3つめの有名人という条件は、本当に有名人じゃないとダメなわけで、これは難しい。(私なら、三好絵梨香さんがブログ始めたら内容は何であれ読むと思うし、最近は椎名法子さんのブログのヘビーリーダーになってます。別にレッドブルを飲んでるとか、昨日はカレーを作ったとか、どうでもいいことなんだけど。あと、猿田瑛さんもねw)

私や、多くの皆さんのような一般人なら、読み手が知らない情報、読み手にはない体験を書くということが、おもしろいと思ってもらう条件。とにかく「読み手」を意識することが重要なわけですね。

本書の後半は、サブタイトルの「心をつかむ文章術」そのままの展開。内容はよくある文章術本のそれと変わらないように思います。ただ、ブログ向けに一ひねりされているので、ブログのために文章術本を買うなら、本書だけあれば十分でしょう。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。