拡張カードとUNIX

この頃からもうLinuxやってる。(このエントリーは、1998年11月頃に書いた文章を、2016年7月に復刻したものです。)
この頃からもうLinuxやってる。(このエントリーは、1998年11月頃に書いた文章を、2016年7月に復刻したものです。)

PRESARIO 2210では出来なかったことが2つありました。1つは拡張カードが挿せないこと。もう1つはUNIX(X-Window)が動作しないことです。
拡張カードの方は、PRESARIOでは筐体の省サイズ化のために拡張の機能を全く持っていなかったためです。内部をよく見るとISAバスが1つあるようでしたが、既にモデムが使っていました。そしてAptiva D1Jですが、同じく省スペースマシンですがカタログを見ると、PCIかISAのどちらかが1つだけ挿せるようです(実はバスは2つあって、そのうち1つはやはりモデムが使っています)。
挿したいカードはというと、その昔、自作機の時に面白おかしく使っていたビデオキャプチャボード(POWER HEROのやつ)です。早速挿してみようと、おそるおそる筐体のカバーを開けてみました。内部の構造はPRESARIOと同じような感じ。同じような形とサイズの筐体ですから、自然と似てしまうのでしょう。それでもちゃんと拡張バスが2つついていて、ちゃんと1つは空いています。で、まあ簡単にカードをバスに挿したわけですが(HDDのケーブルと干渉してちょっと苦労した?)、よく見るとカードが筐体のサイズをはみ出してしまっています。つまり、筐体のカバーが閉まらない。そんなもん使えるはずがない。あーあ。またしても省スペースマシンの欠点を目の当たりにしてしまいました。拡張カード購入時には要注意です。

で、もう1つのUNIXを動かしたい方です。試したわけではありませんが、UNIX(Linux)自体は動くでしょう。ただ、X-Windowが問題です。Xはビデオチップの対応がMSのWindowsほどではありませんから、注意が必要です。たとえばMediaGXを搭載したPRESARIOの場合、ビデオチップの役目も果たしているCPUのMediaGXにXが対応していないため、動作しないわけです。そしてAptiva D1J。これもカタログの時点でよく調べなかったのが悪いのですが、これも特徴ありのビデオチップです。というか、ビデオチップなるチップがない。これって、MediaGXの時と同じ?って感じですが、D1JはSiS5598というチップセットに内蔵でビデオサブシステムを持っています。困ったことにXはこのシステムにも対応していないのです。UNIXを動かそうと思ったら少し型の古い、普及したパーツを持っているシステムを用意しなさいとよく言いますが、その通りですね。
その後、救いを求めてLinuxのウェブを見てみると、XFree86の最新版がリリースされたというニュースが入っていました。最新版である3.3.3は、なんとD1Jが持っているSiS5598に対応したようです。さらにいうと、MediaGXにも対応しちゃったみたいです。現在市販されているUNIXのパッケージ(RedHatとかTurboLinuxの類)は、XFree86の3.3.2しか入っていませんが、これが3.3.3になる頃に、D1JにもUNIXを導入したいと思います。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。