Zen Microからgigabeatへ

Zen Microの調子が悪い・・・と言っておりましたが、実際は調子が悪いどころか、使い続けるにはかなり厳しい状態でしたので、ついに買い換えました。後継機は東芝のgigabeat F11のホワイト。何の根拠もない話でしょうが、何となく壊れそうにない(と思われる)日本製にしたい気分だったのです。

今まで、Zen Microを選び、gigabeatを選ばなかったのは、「格納したファイルが暗号化されない」、「充電池が交換式」という2つの理由のため。
この2つを満足する現行機種というと、CreativeのZen Microか、iriverのH10のどちらかだったのです。CreativeはSoundBlasterで有名なシンガポールの会社、iriverは最近急成長している韓国の会社。Creativeがダメならiriverとなるわけですが、今回はどうしても日本製にこだわりたかったので、上記2つの理由には目を瞑って、東芝に・・・。

で、2日ほど使ってみたところ・・・。

まず、格納したファイルについていうと、たしかに暗号化されるわけです。gigabeatはマスストレージに対応しているので、エクスプローラで暗号化済みのファイルをコピーしてきても、再生できない(←これはウソ。gigabeat roomなら再生できる。でも、普通のWMAファイルのようには使えないということで・・・)。ここまでの動きは、一般的に言われていたり、gigabeatのまとめサイトなんかにも常識として書かれている話。
しかし!そこで話は終わらない!・・・gigabeatを買ったのは新宿西口のビックカメラなのですが、先着とかでクレードルくれたんですね。これがHappyだったのです。gigabeatをクレードルにセットし、PC接続設定を「Windows Media Player 10(以下WMP10)」にしてPCに接続し、WMP10を起動してファイルを転送してみると、暗号化されない。んっ?で、これはgigabeatで再生できるのか?と思って試してみると、再生できる。んんっ?なんか話が違うぞ?ということになったのです。

で、どういうことかというと(その後、約半日をかけて色々試したところ・・・)、PC接続設定をWMP10モードにしてWMP10を使うと、サブスクリプション対応になるようなのです(これは取説にもまとめサイトにも何気なく書いてある)。この場合、WMAファイルは(MP3は試してない)、暗号化されずPCとgigabeatでやり取りされます。次に、PC接続設定をgigabeat roomモードにしてgigabeat roomかWMP10を使うと暗号化されてやり取りされます。この時、WMP10モードで暗号化されずに転送されたファイルも暗号化されます。しかし、gigabeat roomモードで暗号化されたファイルであっても、またWMP10モードに戻すと暗号化されていないファイルになります。
つまり、どちらのモードで転送したとしても、WMP10モードなら暗号は復号され、gigabeat roomモードなら暗号化されるということ。ということは、gigabeatであってもクレードルさえあれば、音楽ファイルのバックアップに使えるということ。(ポイントはクレードルを使っているかどうか。WMP10モードに設定してもUSBケーブル直接続だとgigabeat roomモードになる。)

ところで、このようなgigabeat roomモードとWMP10モードの切り替えを何度もやる場合に、ジャケット写真の設定はどうなるか?という点が気になりますよね。結果からいうとノープロブレム。gigabeat roomモードで、gigabeat roomを使ってジャケット写真を設定し、WMP10モードにしてみると、ちゃんと普通のWMAファイルとして見えるようになっています。また、そのような切り替えを行っても、ジャケット写真の設定はそのままです。

ということで、ビックカメラがクレードルをくれたがばっかりに、gigabeatに感じていた不満点の1つが解決されたのです。次に、充電池については・・・?

gigabeatの充電池はリチウムイオンの内蔵タイプ。カタログスペックで連続16時間再生です。リチウムイオンには、500回充放電すると性能が最初の80%になり、寿命扱いになるという特性があります。これは1日1回充電したら500日で寿命という話ではなく、1回充電してバッテリーを半分だけ使ってまた充電するのなら1000回充電できるという話ですから要注意。で、このルールに則ると16時間×500回=8000時間で、1日4時間聞いて2000日≒5.47年。困るような話じゃない。

それでも!ってことで、取説を読んでみると、バッテリーの取り外し方の説明があります。これは交換するためではなく、廃棄するためですが、少なくとも比較的簡単に充電池にアクセスできるということでもあります。となれば、iPodのように充電池がサードパーティから販売され、保証をフイにする覚悟があれば、自分で交換することも出来ないではないということ・・・かもしれない。
と思って、試しに・・・と分解する時に開けるネジ位置を確認しようと本体下部のプラスチックのパネルを外してみたら、片側のツメを折ってしまいました。トホホ。接着剤でツメを応急処置したし、普段はカバー(これもビックカメラがくれたヨ)に入れて使うので、実用上何の問題もありませんが、この時点で保証がフイになったような・・・。

そんなわけで、購入2日目にして若干のキズ持ちになってしまった我がgigabeatですが、何となく裏技チックに・・・デメリットが解消されつつあるように感じています。Zen Microと比べてみると、FMラジオが聞けないのと、ICレコーダーとして使えないのが機能ダウンですが、どちらもまともに使ったことはないので、OK。それよりも、広くて綺麗なカラー画面でジャケット写真バシバシ出てくるようにすると、結構楽しいです。プラスタッチの使い勝手も言うほど悪くないし。なかなか満足しております。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。