ホリエモン VS 記者
面白いのは、記者の質問が徐々にホリエモンに批判的になっていること。
記者の先入観が出ているのか、ホリエモンの口調が相手を苛立たせる効用があるのか。
ホリエモンは本質を突いている
面白いのはGoogleについてのやり取りで、記者の回答はまぁ模範解答といえるもの。
それに対してホリエモンの回答は本質を突いている。Googleは徹底したインフラ屋という事実はそのとおりなんだろう。梅田望夫さんもGoogle初期に日本企業の経営陣に説明する際に、「世界中の高度な人材が泥臭い仕事をひたすらやっている会社」とか言ってたらしいし、多分そういうことなのだろう。
IT業界について
GoogleやAmazonによるクラウドコンピューティングの進展についても触れられている。
私はクラウドコンピューティングが進むほどIT業界はインフラ屋の道を辿ると思っていて、3年くらい前から、水道局や電力会社と同じ、ライフインフラになっていくのだろうと感じている。
これからは技術力よりコンテンツ力というホリエモンの説で行けば、テレビ業界なんかでも最初は白黒テレビが出来たのも凄かったし、それがカラーになったのも凄いし。そういう技術力が目立ったのだろうけど、今はそういう技術力はNHKのなんとか研究所とかが地味にやってて。もちろんやってることは凄いのだろうけど、それよりもテレビ局が持っているコンテンツの重要性のほうが遥かに重要。そういう業界の成熟とともに技術力とコンテンツ力のパワーバランスは切り替わっていくのだろう。IT業界もそれと同じということか。
技術力って何だろう
「アイディアと実装」と言い切るホリエモンのキレは鈍ってないな。
ホリエモンが自分自身のことを技術屋と称し、技術に対するこだわりを見せているのは、意外ではない。世の中的には意外なのかもしれないけど、元々「オン・ザ・エッヂ」とかいう名前を会社に付けるくらいの人だし。
虚業について
当時はたしか「モノ作ってないような会社は虚業」とかいう本気とも冗談とも取れない「虚業批判」がライブドアというか、ヒルズ族というか、勃興したネット企業に、半分やっかみのような批判が繰り広げられていたような気がする。
ホリエモンの財務体質に言及した虚業否定は、ちょっとピントがズレたような気がするけど、どうでしょう。
当時のライブドアは、ちょっと目立ったネットサービスがあったら、それを買ってきてライブドアブランドにして、ポータルにリンクを貼るということを繰り返していたように思うけど、それでとりあえずは会社としての戦闘力になるわけで。
自分などは逆にSI企業の方が人売りしているだけの虚業のような気がしなくもない。
ホリエモンが売り買いしてたのはサービス。SI業界が売り買いしているのは人。人なんて会社移ったらそれまでなんだし、その人がいかに凄かろうと、生み出した成果は利益以外は顧客のものになるのがSI業界だからなぁ。どっちが虚業じゃないかといえば、サービスの売り買いの方がマシのように思える。