昔語ってたことと、今語れること

絶賛展開中の転職活動も本格的に動き始めて、面接が始まろうとしている。

面接や、既に提出している職務経歴書を書くにあたって、今まで自分がやってきた仕事に、正面から向き合うことになる。これから、何度も自分の経験について話すことになるし、それを元にして、なぜ転職するのか?とか、入社後どういうキャリアを歩んでいきたいのかとか、そういうことに答えなければならない。

幸いにして、私はもう5年近くブログを続けているし、ブログ以前に書いていたことを含めると2001年から書いてきたことが、すぐにアクセス可能な形で蓄積されている。
それを振り返ると、案外技術的なことも書いているなぁと思った。実際に2006年あたりに書いていることを読んでみると、意外に良いことを書いているじゃないか…と、我ながら感心したりする。

その2006年頃に語っていることは、コンピュータの価値ってなんだろう、SIerの価値ってなんだろう、アーキテクトって何をする人なのだろう、といったことだった。
まぁ、そういうことを真面目に考え始めた結果、妙なセレンディピティが発生して会社を辞めて、SEも辞めようと思うことになったのだが…。

果たして2009年の今、結局私はSEをやっていて、転職活動でもIT業界での仕事を続けるつもりでいる。
そんな今、私が語れることはなんだろう。それが、きっと2006年以後で私が成長したことなのだろう。

視野は広くなったのではないかと思う。

前職では基本的に技術系の人間であったのだが、最近は業務系のことをやっている。
業務システムの設計をしていても、その一方で必ず技術的なバックグラウンドというか、具体的な実装方法を他のメンバーよりも先んじて考えていた。今は、業務そのものにずっぽりである。特に今携わっているシステムは運用フェーズに入っているから、実際のユーザからの問い合わせに追われることも多い。
そういう業務面というか運用面の視野を持てたとは思う。
具体的に言おう。フレームワークの設計をしていた頃は当然にログ出力の方法を考えていた。しかし、出したログがどういうシチュエーションで使われ、であるからしてログはこういう風に出すべきであるというところまで、頭が回らなかった。Log4jの使い方は知っていても、どういうログを出すべきかは別の話だ。それは、ログを必死に読む場面に立ったことがなかったからだ。今は、ログを必死に読まざるを得ないこともある。ログはどう出すべきか、今なら実感を持って分かる。

正社員と派遣社員の双方の立場が分かった。
前職では比較的プライマリーで仕事をしていたのだが、今はずぶずぶのセカンダリー以下であり、雇用形態も派遣というか契約社員である。この立場は、楽だけど、もどかしいよね。以前は、何でも結構自由に決められたけど、逆に言えば決めなければならなかったのだ。

あとは、やる気バリバリメンバーと、やる気ショボショボメンバーの違いとか。
なんというかな、やる気がバリバリにあった頃は、若さゆえもあってなのか、やる気なさそうなメンバーを軽蔑とまでは言わないけど、まぁ下に見てるというか、そういうことがあった。
今は比較的、それほどでもない…こともあったりした…ので、まぁ、なんつーか価値観の違いというか、そう、優先順位の違いだよね?みたいな感覚が分かる。言っててぐだぐだだけど。
何が言いたいのかというと、これからマネジメントをまたやるようになったりしたら、メンバーのモチベーション管理ってもっと重要だよね、というか、メンバーは人それぞれ色々なことを考えて仕事してるのよ、ということが分かったということだ。

まぁ、そんなところだろうか。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。