力の出る仕事をしよう

西村佳哲さんの「自分の仕事をつくる」と「自分をいかして生きる」の2冊を読んで、いろいろ考えました。

世の中を「いい仕事」でいっぱいにしようというのが、この2冊の共通したメッセージだと思いますが、いい仕事をするためには、自分が力の出る仕事をしないといけないのです。

たとえ、ある仕事について実力があって、人と比較して若干優れていたとしても、今ひとつ自分の力が出ないというか、全力を挙げようと思わないような仕事だとしたら、やるべきではありません。仕事の出来栄えは比較的人より優れているかもしれませんが、どこか手抜きをした仕事は、必ず人に伝わるものです。そうした仕事がボディーブローの効かせあいになるような世の中への危惧が、「自分の仕事をつくる」の書き出しにあった言葉でした。

それは、勝間和代さんの著書「やればできる」にある「しなやか力」に通じます。数年前なら梅田望夫さんが「好きを仕事にする」と言っていたこととも通じるわけで、本質はそう変わるものでもないのです。

「好きを仕事にする」という言葉にある「好き」とは何なのか。数年前もかなり議論になった覚えがあります。西村さんは「自分をいかして生きる」において、「お客さんとしての好きだったらお客さんのままいれば良い、いつまでもお客さんとしていられない、どうにかして作る側に立ちたいと居ても立ってもいられなくなるのなら、それを仕事にすればいい」と言っています。(カギカッコ内は意訳)

組み合わせて考えると、以下のようなフレームワークができます。

  1. 好きなことを挙げる
  2. そのなかで、お客さんとしていられなくなるものを挙げる
  3. ストレングスファインダーやMBTIと重ねあわせてみる
  4. 自分史の中から、人に言われたことを思い出す
  5. 勝ち目があるのかを考える

1と2が主観的な評価、3と4が客観的な評価、5は実現性の判断です。数字が小さい方がより重要なことです。いくら勝ち目があっても、嫌いなことだったら、自分の力は出ないからです。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。