IT投資の意味をきちんと見極める時代に

IDC Japanは12月14日、国内産業分野別IT市場における2009年上半期の実績の分析と、2009年から2013年までの市場規模予測を発表した。2009年の市場規模は前年比7.7%減の11兆8488億円にとどまる見通しだ。

引用元: 2009年の国内IT投資、ほぼ全ての産業分野で縮小へ:ニュース – CNET Japan.
とにかく案件がないという話ばかり聞かされている昨今です。国内IT投資が、ほぼ全ての産業分野で縮小したというのは、うなずけるところ。

2010年後半以降は経済環境が好転することから、一部の大企業を中心に延期していたIT投資が再開されるとIDC Japanでは見ている。しかし、2010年もIT投資全体の本格的な回復は見込まれず、2010年の成長率は0.7%減となり、銀行や組み立て製造など が回復する2011年にプラス成長に転じると見ている。

2010年後半以降に、本当に経済環境は好転するのでしょうか。先の記事でも書いたとおり、本当に経済環境が好転するなら、そこで見える世界は変わっているはず。
だとしたら、もう既存業務をIT化する or 既存システムの単なるリプレースといった、従来型の案件はかなり少なくなるのではないでしょうか。もう、ITを入れさえすれば良いという時代ではないでしょう。
ITがあるからこそできるビジネス。それを実現できるシステムの開発が増えてくるだろうと思います。IT投資に、どれだけのリターンとリスクがあるのか。それをきちんと見極めようとする経営者が間違いなく増えます。厳しい経営環境を乗り切った経営者なら、なおさらのことです。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。