折りたたみ型が出ればAndroidは勝ちだと思う

iPhoneが圧倒的優位の日本のスマートフォン市場で、Androidが勝つとしたら何だろうか。時折そういうことを考えるのだが、現時点での私の結論は、折りたたみ型を出すということなのだ。

というのは、全面タッチパネルのいわゆるPDAスタイルのスマートフォン市場において、iPhoneは既に一般ユーザに普及しつつある。これがまだ、先進的なユーザに限定して普及しているのならAndroidも勝機ありだが、どうもマニアっぽくないふつうのユーザもiPhoneを使い始めている。特に、東京の通勤電車に乗ってみると、あまりのiPhoneユーザの多さに驚く。中にはiPod touchのユーザもいるだろうが、いずれにせよAndroidユーザと比べれば圧倒的である。(ごく最近になって、Androidユーザもわずかだが見かけるようになった。昨年末頃からかなり安く売り出し始めたせいだろう。)

これだけiPhoneが普及し始めると、春にドコモからXPERIAが出ても、結構厳しいのではないか?と思うのだ。XPERIAはAndroidデバイスとしてかなり秀逸だと思うが、わざわざiPhoneから買い換えるほどでもないと思う。可能性があるとすれば、iPhoneはいまのところソフトバンクからしか出ていないので、ドコモにこだわりのあるユーザがiPhoneの代わりにXPERIAを買うことだろう。少なくとも、iPhoneの代わりにHT-03Aを買うよりはXPERIAを買った方が報われるはずだ。

しかし、ケータイの全ユーザ数からみれば、iPhoneユーザは圧倒的に少ない。私の考えは、AndroidがiPhoneユーザを奪いにいくのではなく、ふつうのケータイ(いわゆるガラケー)ユーザをAndroidに移行させることに注力すればよいということだ。

iPhoneのデザインはApple、もっといえばスティーブ・ジョブズが握っている。ジョブズが折りたたみ型iPhoneを出すとは、とても考えられない。
しかし、Androidは自由だ。メーカーがSymbianやITRONの代わりにAndroidを使い、Androidプラットフォームの上でガラケー風の機能を作り込めば良い。もっと電話機能やケータイメール機能に特化するべきだろうし、おサイフケータイやワンセグも載せるべきだ。i-modeなどのケータイWebのブラウザもAndroid上で動かせば良い。ただ、i-appliの代わりにAndroidアプリケーションが自由に使えるようにしなければ、敢えてSymbianの代わりにAndroidを使う意味はないので要注意だ。(i-appliエミュレータもあって良い。)

そうやって、Android搭載携帯電話(スマートフォンとは言わない)を増やして、ガラケーユーザに乗り換えを促していく。気がついたら、Androidの天下だったという状態が望ましい。

さて、私はこんなことを思っているのだが、どうやらシャープの目の付け所がシャープらしい。

NB30 is a mobile phone designed by Sharp Corporation. The device is pre-installed with a Synergy Bluetooth technology Host Subsystem-DCI (B015697) and Synergy for Android (B016342).

NB30DP is a wireless PDA designed by Sharp Corporation. The device is pre-installed with a Synergy BT Host Subsystem-DCI (B015697) and Synergy for Android (B016342).

シャープ製Androidケータイ「NB30」「NB30DP」がBluetooth.orgを通過!au向けか?! | memn0ck.comによると、NB30DPは「PDA designed」だから、いわゆるiPhone風のスマートフォンだが、NB30は「mobile phone designed」なのである。折りたたみ型かどうかは分からないが、ふつうのケータイっぽいものをAndroidで作ったということは間違いないのではないか。

auはせっかくKCP+を確立したところだったのに・・・とは思うが、決して元気のあるキャリアとはいえない状態なので、これを起爆剤にして欲しいと思う。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。