ロケットニュース24の記事、お客さんが『すき家』に『Twitter』でクレーム!「謝罪と返金を急ぐよう声がける」ですが、すき家の広報部長はさすがの対応でした。たしかに店舗ではミスがあり、お客様窓口の電話対応も芳しくなかったのでしょう。顧客としては、最後の窓口としてTwitterの広報用アカウント宛に書くしかなかったわけです。
このケースから学ぶべきことは、Twitterではクレーム対応すら広報になってしまうことです。
牛丼レストランチェーンの『すき家』でどんぶり料理の並盛りを注文したところ、代金として1000円もとられたお客さんがおり、インターネット上で『すき家』に対してクレームをつけて話題となっている。
このお客さんはコミュニケーションサービス『Twitter』(ツイッター)で「すき家で並盛り1000円とられたぞ(詳細は客センが知ってるはず)」と、『すき家』の広報室長に報告。
それに対して広報室長は「弊社窓口が未対応ならぜひDMをお願いします。対処します」や「店舗名、時間、対応者などわかればこちらのアカウント宛にお願いします。こちらから再度問い合わせます」と返答している。それらのやり取りを『Twitter』でしているため、クレーム対応の一部始終をインターネット上で読むことができる。
当ブログで何度か書いたことですが、企業がTwitterを使う上での鉄則は、すべての対応が世界中から見られていることを念頭に置くということです。
電話のお客様窓口なら、対応が不味くてもそれに憤るのは1人の顧客だけです。その憤った顧客が周りに話したり、Twitterやブログに書く可能性はあります。しかし、あくまで一方の意見でしかないし、リアルタイムでもないので、影響は限定的です。
Twitterがお客様窓口になると、窓口と顧客のやり取りは、すべてがリアルタイムに公開されます。そのやり取りを見ていた他のTwitterユーザが言葉尻をとらえて参戦したり、リツイートが連鎖して見物客が数万人にもなるという可能性も否定できません。いわゆる炎上です。
でも、窓口の対応が今回のすき家の広報部長のように誠実なものだったとしたら、非常に素晴らしい効果につながります。今回のケースで顧客がファンにまでなったかは分かりません。広報部長のファンにはなっても、すき家への信頼はやはり落ちたままの可能性もあります。しかし、そのやり取りを見たTwitterユーザの中には、すき家に好印象をもった人が必ずいます。
今回はまさに広報部長が見せた対応だったわけですが、この事例が物語るのはTwitterではクレーム対応すら広報活動になりうるということです。
クレームを言う顧客に感動的な対応をするというストーリーは、ドラマでよく見かけます。わざわざ、そういうドラマ仕立てのテレビCMを作っている企業もあります。それだけ広報的な価値のあるストーリーなのです。
もちろんTwitterで起こるクレームは現実です。ドラマのように都合良くいくわけではありません。それだけ、企業のTwitter担当者には力量が必要だということなのでしょう。