個の協働とソーシャルメディア

昨日書いた私のコントリビューションステートメントについてなのですが、見つけた(ちょうど1年前に書いた)文章というのを紹介します。

まず、少し今の考えを書いておきます。

現在、ネットを使った人のつながりというのは一般的なものなりました。ネット発のスターも登場するし、リアルでのつながりをネットで深めたりすることもある。ネットとリアルの垣根は徐々に低くなってきて、もうその存在すら確認するのは困難といえるかもしれません。

こうした時代に、私たちはどう生きるかと問われているような気がします。人の中で、人の間でかなえたい夢なら、今ほどそれが容易なことは過去なかったのではないでしょうか。いや、いまでも起業に成功するとかタレントと認識される人になるというのは難しいのですが、ネットがない時代に比べて難易度が下がったことだけは間違いないでしょう。

ネットの時代は個が輝く時代です。個人個人のユニークな力が極限まで発揮できるのがこの時代だとするならば、あなたは自分の何を何を輝かせますか。
そして、個が輝く時代は同時に輝く個と個が協働することによって、さらに強い輝きを放てる時代でもあるのです。

とまぁ、少し夢物語的強調が過ぎたかもしれませんが、たまには大言壮語ということでお許しください。

それでは、本文です。

理想の社会

私の思い描く理想の社会があります。それは一人一人の人が小さく輝き、その輝きがつながって大きな輝きになる。そういう社会です。一人一人の輝きは、その人の強みを本当に発揮出来たときに出てきます。人はそれぞれ必ず何かの強みがある。

その強みを発揮出来ているとき人は心の底から楽しくなります。それが輝きのもとになります。そして、強みは人によって違います。強みがまったく同じ人というのはいないと思います。だから、人が集まるということは強みが集まるということであり、その結果として輝きは大きなものになるのです。

私はもともと独立心の強いところがあって、それゆえにこのように思うのかもしれません。ただ、同じような思いを持つ人は少なくないだろうし、一方でその思いを満たしている人は多くないだろうと思います。私自身もその思いを満たしていません。これから何とかしたいと思っているのです。

良い仕事

この世の中にあるほとんどのものやサービスは誰かの仕事の成果です。私たちは誰かの仕事の中で生きています。この仕事こそ人が強みを発揮する場所です。もし強みを発揮出来ていない仕事をすると何らかの雑念が仕事に入り込みます。端的に言えば「あぁ、やりたくないなぁ」とか。そうした仕事を受け取ると、心のどこかで「あぁ、やりたくないなぁ」という嫌な気持ちも一緒に受け取ることになります。逆に、強みを発揮した仕事は心の入った良い仕事です。できるだけ、そういう心の入った仕事に囲まれていたいと思うのが人間の心理でしょう。

世の中を良い仕事でいっぱいにはどうすればよいのでしょう。この思いを満たすには何が必要なのでしょう。ふたつのことが必要だと思います。一つはみんなが自分の強みを認識することです。自分は何をすれば輝くのだろう。この問いに答えを見つける必要があります。非常に難しいことですがそれぞれが見つけ出すしかありません。

そして、もう一つはみんなが自分の強みを社会にオープンにすることです。社会にオープンにするからこそ強みを発揮出来る場所が生まれます。仕事は一人では出来ません。少なくともその仕事を受け取るもう一人が必要です。そして小さな輝きをつなげて大きな輝きをつくるためにもっと多くの人も必要になります。

IT、ソーシャルメディアの役割

私はここでITに出来ることがあると思うのです。心の入った仕事をする自分と、その心を受け取ってくれるもう一人の人。もしくは輝きをつなげられる心の入った仕事をするほかの人。その間でITやネットが出来ることは何だろう。関係をつくり、その舞台になることではないでしょうか。

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。2018年、株式会社ビビンコを北九州市に創業。IoTソリューションの開発・導入や、画像認識モデルを活用したアプリの開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。