一人で飲むことが好きです。
いや、みんなで飲むことも好きなのですが、一人で飲むことも好きなのです。
みんなで飲むのは楽しい。
でも、そんなことをいまさら僕が言うことでもないと思います。
だから、みんながなかなか手を出さない、もちろん手を出している人は出している、一人で飲むということを取り上げたい。
考えてみれば、僕の生まれた福岡県北九州市というところには、角打ちという文化があります。
角打ちは、町の酒屋さんで、乾き物をツマミに飲むことであって、大抵は立ち飲み。一人のことが多いように思います。
僕が地元に住んでいる頃は未成年だったので、角打ちをしたことはないのですが、僕の父親がよくやっていて、それに連れられて、駄菓子のカレー味の串カツだとかを食べたような記憶があります。
あとは、ちょっと豪華に手羽先の唐揚げだとかを。
そんな文化、そんな父親に育てられた僕が、一人飲みを好きになるのは当然のことで、東京に出て来た僕が、ある上司にビールを強くさせられ、あるお客さんには焼酎を、そしてまた別の上司には新宿の思い出横丁に連れて来られたのは必然だったように思うのです。
一人で飲んでいてなにをしているのか。
それはもちろん、一人でツマミをつつきながら酒を飲んでいるのですが、時には隣で出会った人と語り合ったり、一人で何かを考えたりもしています。
つまり、一人飲みは、魚を釣ることを目的としない釣りのようなもので、また、出会いの場なのです。
ビバ、一人飲み。
そして、一人の、一人である、一人の時間を楽しむ、me(私)。
一人飲みの楽しさ、奥深さを、皆さんにも共有してもらえれば、僕は嬉しいです。
2014年7月の三連休の日曜日。
新宿の思い出横丁にて。