GoDaddyのWordPressホスティングサービスを使っている

7月から、このブログのホスティングでGoDaddyを使っています。GoDaddyは米国の会社で、ドメイン取得の業界ではナンバーワンの企業です。inoccu.comというドメインを取得する(取り戻す)ときの話は、こちらに書いたので参照いただくとして、それからGoDaddyを使うようになりました。

実は、このブログのサーバも米国にあります。日本向けの日本語ブログなのだから、日本のサーバに置いた方がレイテンシ的にも良いのは間違いないんですけどね、それでも、遅いなぁという感じではないだろうと思っています。

なぜ、GoDaddyのホスティングサービスを使うようにしたかというと、ドメイン取得でお世話になったからとか、サポートが比較的信頼できたからとか、そういう理由もあるのですが、日本にはあまりないようなサービス内容だったのが良かったからです。

GoDaddyのどのサービスを使っているのか

godaddy

GoDaddyには複数のホスティングサービスがあります。GoDaddyのトップページのメニュー構成を見ると、こんな感じになっています。

  • Webサイト
    • Webサイトビルダー
    • WordPress
  • ホスティング
    • Webホスティング
    • WordPressホスティング
    • クラウドサーバー
    • クラウドアプリケーション
    • 仮想プライベートサーバー
    • 専用サーバー

Webサイトビルダーは、あらかじめ準備されたテーマを選んで、情報を埋めていけばWebページができるもので、Jimdoのようなサービスと捉えれば良いでしょう。

WordPressがWebサイトメニューと、ホスティングメニューの両方にありますが、リンク先は同じなので、同じサービスです。私が使っているのがこのサービスなので、後で詳しく説明します。

Webホスティングは、いわゆるレンタルサーバーです。もちろん、WordPressをインストールすることも可能です。

クラウドサーバー、クラウドアプリケーション、仮想プライベートサーバー、専用サーバーは、GoDaddy Proというサービス群です。
仮想プライベートサーバー(VPS)と専用サーバーは、日本でもお馴染みのサービスなので説明は不要でしょう。仮想か物理的かの違いはありますが、1台のサーバーを自由に使えるサービスです。
クラウドサーバーとクラウドアプリケーションは、OpenStackベースのサービスということなので、あらかじめパッケージ化されたアプリケーションを選択すれば、自動的にさまざまな環境が導入されるタイプのサービスだと思います。

GoDaddy WordPressホスティングの特徴

GoDaddyのWordPressホスティングは、日本でも最近増えてきたWordPress専用サーバーのようなサービスです。レンタルサーバーと同様にユーザーによるサーバ管理作業は不要ですが、WordPressしか使えません。一方で、WordPress.comのようなブログサービスと比べると自由度が違います。FTP(SFTP)によるファイル転送も可能ですし、wp-config.phpのようなコアの設定ファイルを直接編集できます。また、SSHも使用できるので、大量の画像をZIPファイルで転送してコマンドラインで展開したり、複数のファイルを一気に移動したりといった操作を行うことできます。phpMyAdminでMySQLを直接操作することもできます。

詳細は明らかにされていませんが、WordPressのパフォーマンスに特化したサーバ構成になっているのではないかと思います。
導入されるWordPressのダッシュボードにGoDaddyというメニューがあり、おすすめのプラグインの導入等ができます。また、ダッシュボードの説明がウィザード形式で行われたり、専用の操作マニュアルが準備されていたりします(英語か機械翻訳の日本語ですが)。
もちろん、こうしたGoDaddy独自の機能は、プラグイン画面から無効化することも可能です。

また、GoDaddy WordPressホスティングでは、キャッシュによる表示の高速化が行われています。WordPressにログインした状態ではキャッシュからの表示は行われませんが、ログインしていない状態ではキャッシュからの表示が行われます。
ログイン中に表示されるAdminBarのGoDaddyメニューには、「キャッシュをフラッシュ」というリンクがあります。表示に何か問題があれば、キャッシュのフラッシュを行えば、キャッシュが削除され、次の表示時に再作成されます。

便利な仮ドメイン機能

godaddy-gateway

GoDaddyのWordPressホスティングには、仮ドメイン機能があります。これは、独自ドメインの取得が完了するまでの間、仮ドメインでサイト構築を行える機能です。仮ドメインで運用している間は、WordPressのダッシュボードにその旨が表示され、検索エンジンのインデックスもブロックされるようです。

独自ドメインの取得が完了し、仮ドメインから切り替える場合も、その旨の設定を行うだけです。素晴らしいのは、設定した独自ドメインでWordPressが表示されるようになるということだけではなく、記事中の仮ドメインへのリンクもすべて独自ドメインへの置換が行われることです。
WordPressは自サイトへのリンクでも絶対パスでのURL記述が記事内で行われるので、ドメインが変わった場合は置換が必要になります。それが分かっている人であれば、Search Regexなどの正規表現プラグインなどを用いて、一括置換してしまえば良いのですが、それをやらなくても自動的に置換が行われるのであれば、それに超したことはありません。

ステージング環境

仮ドメイン機能はサイトのステージング環境でも使用されます。WordPressでのブログ運用中に、テーマを変えたかったり新しいプラグインを試したくなることがあります。それをいきなり本番環境で試すのは危険ですね。そういうときに使用できるのがステージング環境です。
ステージング環境は、GoDaddyの管理画面からワンクリックで作成できます。その際、本番環境を完全にコピーするか、記事や画像などのコンテンツ以外をコピーするか選択できます。

バックアップ機能も標準装備

WordPressを導入した後、記事や画像などのバックアップ用プラグインを導入する方も多いでしょう。
GoDaddyのWordPressホスティングでは、バックアップは標準装備で自動的に行われます。
バックアップは、毎日1回、ファイルとデータベースについて行われます。バックアップデータは30日間保持され、簡単に復元させることができます。

SSL証明書も簡単に導入

最近は、ブログでもSSL対応しておいた方がSEO的に良いということで、https://〜のブログが増えてますね。当ブログもその流れに乗ってSSL対応しました。

GoDaddyはSSL証明書も取り扱っているので、購入して、GoDaddyのWordPressホスティングで使用することを指定すれば、自動的に設定が行われます。購入して、だいたい1時間もすればhttps://〜のブログに変わっています。

メールサーバも標準装備(1年間は無料)

GoDaddyのWordPressホスティングには、Office 365のメールボックスが1つ付いています。ただ、無料で使えるのは最初の1年間だけなので、2年目以降は別料金となるようです。

長期契約も可能

日本のサービスだと、だいたい1年契約のところが多いと思いますが、GoDaddyは10年契約まで可能。まぁ、そんな長期で大丈夫なのか?という気はしますが。。。もちろん、長期契約のディスカウントもあるので、私もちょっと長めの契約しました。(さすがに10年じゃない。)

GoDaddy WordPressホスティングの欠点

そんな感じでなかなか良さそうなGoDaddy WordPressホスティングですが、欠点もあります。それは、XML-RPCへの対応です。

ブログに記事を投稿する際、WordPressのダッシュボードから行えば何の問題もないのですが、MacだとMarsEdit、WindowsだとLive Writerといったブログエディタを使って投稿する方も多いでしょう。外出先からだとWordPressの公式アプリを使って、iPhoneやAndroidから下書きを投稿するといったこともあるでしょう。

その際に使用されるのがXML-RPCという技術なのですが、GoDaddyは一部の機能が制限されているようです。MarsEditやLive Writerから記事の投稿はできるものの、画像のアップロードができません。また、WordPressの公式アプリからは記事の投稿になぜか失敗してしまいます。

GoDaddyの公式ブログで、その理由が説明されています。やはり、セキュリティリスクへの対策のようです。

Some security experts online recognized that someone might be able to take advantage XML-RPC and create a distributed denial of service (DDoS) on servers that host use XML-RPC. In this situation, hackers would program many computers all over the world to simultaneously focus on single WordPress servers. What happens then? All of this non-legitimate traffic and system requests clog up the system. Someone who legitimately wants to visit your website can’t get to it.

What’s up with GoDaddy, WordPress and XML-RPC?

WordPressのバージョンが上がるごとにダッシュボードの投稿画面の使い勝手も上がっていますし、ブログエディタを使っても下書きまでにして、最終的な編集や公開はダッシュボードから行うということにしようと思います。

まとめ

ということで、そもそも米国のサービス、サーバも米国ということで、万人にお勧めできるサービスとはいえないのですが、なかなか見どころがあるのも事実なので、選択肢の1つに加えても良いのではないかと思います。’

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。