「無事是名馬」になる可能性を秘めた国産SIMフリースマホ arrows M03

この間から、iPhone SEを使い始めたところですが、やっぱりおサイフケータイ使いたいなーなんて思っていたところ、富士通のSIMフリースマホ arrors M03が発売になりました。

arrowsのSIMフリー機は、昨年発売されたarrorws M02に興味を持ってしばらく検討したことがあります。ただ、たまたま私が触ってみた実機の問題だったのかもしれませんが、画面のタッチが敏感すぎるというか、ちょっとタッチがつっかかるとタップ扱いになってしまったり、微妙な操作感が気になって、使うことはないまま終わったのでした。

そして、arrors M03。国産スマホのためおサイフケータイにしっかり対応しており、私がもう3年ほど使っているMVNOであるIIJmioでも格安で提供されているので、再度、採用を検討してみることにしました。

入手するなら家電量販店よりMVNO

まずは、近くの家電量販店に行って、arrors M03の実機に触ってみます。M02で気になった画面タッチのクセはなくなっているように感じられました。また、フレームが金属、背面もガラス風のデザインに変わっており、シンプルで実用一辺倒の樹脂製だったM02と比べると、デザインに隔世の感を覚えたのも好印象で、さっそくIIJmio経由で購入。

一括払いで32,800円、IIJmioのサプライサービスを使うと、1,380円×24か月払いとなります。arrows M03は家電量販店でも販売されていますが、ビックカメラでは39,550円であり、IIJmioのようなMVNO経由で購入した方がかなり安くなります。店頭ですぐに購入しないことが肝要です。

ミドルレンジのスペック、ROMに要注意

スペックはミドルレンジということもあり、至ってふつう。SoCはMSM8916 1.2GHzのクアッドコア。RAMは2GB、ROMは16GB。ROMは実際には9.4GBしか使用できませんので注意が必要です。microSDXC(最大200GB)に対応しているので、写真や音楽、動画を持ち歩くには好適。OSはAndroid 6.0が搭載されています。

Android 6.0はmicroSDXCを内部ストレージとして使用する機能がありますが、本機では未対応。アプリやそのデータは9.4GBのROMでやりくりする必要があるのは残念。CPU等のスペックもほどほどであることから、アプリを詰め込むような使い方ではなく、自分の普段使いのアプリを厳選してインストールするようにしましょう。

昨今気になるPokemon GOはARも含めて対応。ただ、iPhone SEで使っていたときと比べると、すこしつっかかってしまうような動きになることがあるのはご愛敬でしょうか。

おサイフケータイ、ワンセグに対応

機能面では、国産スマホならではのおサイフケータイのほか、ワンセグにも対応しています。特に、ワンセグのアンテナも内蔵されており、イヤホンなどを接続しなくても視聴可能なのは愁眉。なんだかんだとアンテナが内蔵されていないとワンセグは使われないもので、以前使っていたXperiaのコンパクトラインではついぞワンセグを見ないままだったのですが、arrows M03ではちょうどオリンピックシーズンということもあり活用しています。

ディスプレイとデザイン

ディスプレイは5インチのIPS液晶。解像度は720×1280に留まっていますが、特に問題はないでしょう。発色は特に鮮やかということはありませんが実用十分。ブルーライトカットモードが標準搭載されており、ONにしてもそれほど黄ばんだ感じにはならないので、常用できます。

指紋認証はありません、また、M02には搭載されていた画面のダブルタップでスリープ解除する機能は、本機でも削除されているのは少し残念。必ず本体右側面の電源ボタンを押す必要があります。本体右側面には電源ボタンのほか、ボリュームボタンも搭載されていますが、どちらも少しふにゃっとした押し心地で、高級感には欠ける印象です。

ただ、ボタンの配置については(デザインも含め)Xperiaに類似しているという話もありますが、電源はちょうど右手で持ったときに押しやすい場所にあり、ボリュームボタンもXperia Z5 Compactほどは下にはないので、操作しやすい配置といえます。

タフネス!

バッテリー持ちは優秀ではないでしょうか。2580mAhのバッテリーを搭載し、3日間の電池持ちを謳っています。実際に3日もたせるには使用をかなり控える必要がありますが、通常に使用なら丸1日~2日程度は大丈夫ではないでしょうか。

また、特筆したいのは防水・防塵のほか、米国国防総省のMIL規格14項目に準拠したタフネス仕様。実は、さきほどコンクリートの路面に画面側から落としてしまったのですが、画面をガラス、背面や側面をレイアウトのカバーで保護していた効果も相俟って、傷一つ付きませんでした!

富士通の開発者インタビューを読んでも、最近スマホの買い換え間隔が長くなっていることを踏まえ、傷つきにくいボディと飽きの来ないデザインを採用していることが説明されていました。

私のように入手してまだ1週間ほどでコンクリートの路面に落としてしまうという体たらくをしても、傷が付かなかったというのは大きい!やっぱり、入手して早々傷が付いてしまうと、テンション下がりますものね。無事これ名馬が何よりです。

そんなわけで、どうやら私のメインスマホの座をiPhone SEから奪ってしまいそうなのであります!

この記事を書いた人

井上 研一

株式会社ビビンコ代表取締役、ITエンジニア/経済産業省推進資格ITコーディネータ。AI・IoTに強いITコーディネータとして活動。画像認識モデルを活用したアプリや、生成AIを業務に組み込むためのサービス「Gen2Go」の開発などを行っている。近著に「使ってわかった AWSのAI」、「ワトソンで体感する人工知能」。日本全国でセミナー・研修講師としての登壇も多数。