ここ最近、Surface Go LTE Advancedのことばかり書いているので、一応の区切りでiPad Proとの比較について書いてみようと思います。
位置づけの違い
まず前提にしておきたいのは、Surface GoとiPad Proの位置づけの違いです。いちおう、世の中的にはiPad Proがタブレット市場で先行していて、それを追いかける存在としてSurface Goというのがあると思うのですが、それは一面では正しく、別の一面では異なるというのが実情でしょう。
Surface Goは10インチのタブレットで、外付けのキーボードやペンといったオプションは先行するiPad Proと似ていますが、大前提としてSurface Goは歴としたパソコン(Windows 10)であり、iPad ProはiPhoneと同じOS(iOS)を積んでいるという点が大きく異なります。そして、その違いが実用面においても大きく影響してきます。
性能の違い
iPad Proのハードウェアとしての性能は素晴らしいとしかいえません。特に最新のiPad ProはCPUの性能ではAppleがいうように大概のパソコンより優れているといえます。実際の使用感もiPad Proで何らかの処理待ちが発生するのは皆無に近く、極めてサクサク動作します。一方、Surface Goはその上位モデル(メモリ8GB、ストレージはSSDの128GB)であってもソフトウェアのインストールや重めのソフトウェアの起動では待ちが発生します。
実際に、各所のレビューでCPUのベンチマークを見ると、iPad ProがSurface Goを凌駕している様子を見ることができます。
iPad Proができることは圧倒的な快適感がある
iPad Proを使っていて感じることは圧倒的な快適さです。何をしてもサクサク動くし、処理待ちなんて発生しないし、ちょっとフリーズして再起動しようか…なんてことはまず起きません。もう、快適その上ないのです。
ただ、その快適さが発揮されるのは、iPad Proで「できること」ならです。iOS上で動作するWebブラウザは相変わらず制限があり、WordPressのダッシュボードがきちんと動きませんし、できないことがたくさんあります。
できることは快適、でもできないこともたくさん、というのがiPad Proでしょう。
Surface Goは何でもできるが少しの我慢が必要
一方、Surface GoはiPad Proと正反対の特徴を示します。Surface Goで動作するのはフルOSのWindows 10なので、基本的にできないことはありません。Ubuntu on Windowsも動くし、VirtualBoxを使うこともできます。Arduinoのプログラミングをして、その成果物をハードウェアに転送することも何の問題もありません。外部ポートはUSB-Cしかありませんが、ふつうのUSBが使えるハブなどを使えば、大抵の周辺機器は苦も無く動作します。
とにかくオールマイティなSurface Goですが、苦言を呈するならCPUがPentium Goldと少し低い性能であることです。大抵のアプリは動作しますが、それが重めのものなら大抵は少し待ち時間が発生します。特にアプリの起動時はちょっと待つのですが、その待ち時間さえやりすごせば、大抵は問題なく作業こなすことができます。
価値観次第
結局のところ、Surface GoとiPad Proにはこのような違いがあり、これは単純なスペック論争ではなく、メーカーであるMicrosoftとAppleの価値観の違いであり、ユーザーがどちらの価値観に共鳴できるかによって、好みが変わるだろうということです。
そのどちらもを使ったことがある人なら、Surface Goを使っているときはiPad Proの軽快さに憧れるけれども、iPad Proを使っているときはあれもできない、これもできないという苛立ちに頭を抱えることでしょう。残念ながらベストなデバイスは存在しないのです。Surface GoにもiPad ProにもLTEモデルが存在しますが、サクサク動いて何でもできてLTEにつながるデバイス(しかもオールマイティなUSB-Cを備えていて、ペンも使える)は、いまのところどんなにお金を積んでも手に入らないようです。強いて言えばLet’s NoteのXZシリーズがそれっぽい気がしますが、12インチというフットプリントがどう見えるかは人によるでしょう。
そんなこんなで、iPad Proには強烈な魅力を感じるけれども、iOSの非力さをどうしても感じてしまって、結局のところSurface Goかなぁと思う次第です。